未来の倫理と技術の狭間で揺れるサスペンス 『サーキット・スイッチャー』
こんにちは。本記事に訪れて下さりありがとうございます🙇
基本在宅勤務で業務に明け暮れる40代ITエンジニアです👨💼
今回、技術と倫理の問題を鋭く描き出した近未来サスペンスの『サーキット・スイッチャー』をオススメしたく書評を書きました。
はじめに
近未来の日本を舞台に、完全自動運転車のアルゴリズム開発者が巻き込まれるサスペンス『サーキット・スイッチャー』。
安野貴博氏のデビュー作であり、第9回ハヤカワSFコンテスト優秀賞を受賞した本作は、技術と倫理の狭間で揺れる人々の葛藤を描き出しています。
本書の魅力を余すところなくお伝えします。
物語の概要
2029年、完全自動運転車が普及した日本。
自動運転アルゴリズムを開発した企業の社長・坂本義晴は、ある日突然、謎の男に拉致されます。
坂本が乗る自動運転車は首都高を疾走し、その様子は全世界にライブ配信されます。
犯人の目的は何か?坂本は無事に解放されるのか?緊迫感あふれる展開が続きます。
技術と倫理の対立
本作の中心テーマは、技術の進歩とそれに伴う倫理的課題です。
完全自動運転車のアルゴリズムが、事故の際にどのような判断を下すのかという「トロッコ問題」が物語の核となっています。
坂本が開発したアルゴリズムは、被害を最小化するために金額面にフォーカスして最適解を求めた結果、社会的弱者を犠牲にするという倫理的に偏った判断を下すことが描かれています。
キャラクターの魅力
坂本義晴は、技術者としての誇りと責任感を持つ一方で、自らの開発した技術が引き起こす問題に直面し、葛藤する姿が描かれています。
犯人との対話を通じて、彼の内面が少しずつ明らかになり、読者は彼の成長を見守ることができます。
また、警察側のキャラクターも個性的で、事件解決に向けた緻密な作戦が描かれています。
未来社会のリアリティ
安野氏の描く未来社会は、現実の延長線上にあるリアリティを持っています。
自動運転技術の進歩や、それに伴う社会的課題が詳細に描かれており、読者はまるでその世界に入り込んだかのような感覚を味わえます。
特に、技術がもたらす光と影を描き出す描写は圧巻です。
読後の感想
『サーキット・スイッチャー』は、技術と倫理の狭間で揺れる人々の姿を描いたサスペンスであり、読者に深い考察を促します。
技術の進歩がもたらす未来に対する期待と不安が交錯する中で、私たちはどのような選択をするべきなのか。
本作を通じて、その答えを見つける手がかりを得られるかもしれません。
結論
安野貴博氏の『サーキット・スイッチャー』は、技術と倫理の問題を鋭く描き出した近未来サスペンスです。
緊迫感あふれる展開と深いテーマが融合し、読者を最後まで引き込む力を持っています。
技術の進歩に伴う課題に興味がある方、サスペンス好きの方にはぜひ一読をお勧めします。
この書評が、あなたの読書の一助となれば幸いです。
興味を持たれた方は、ぜひ『サーキット・スイッチャー』を手に取ってみてください!
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