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『探偵はパシられる』 令和の新感覚青春ミステリー

こんにちは。本記事に訪れて下さりありがとうございます🙇

今回、書店員芸人として活躍するカモシダせぶん氏の初の小説作品『探偵はパシられる』を読んでみたので書評を書いてみました。


概要

カモシダせぶんによる小説『探偵はパシられる』は、2024年9月に発売された連作短編集です。

本作は、現役書店員であり芸人としても活躍する著者が描く、ユニークな設定と軽妙な語り口が魅力の新感覚日常系ミステリー。

神奈川県立N高校を舞台に、番長の「パシリ」として奔走する高校生・岡部太朗が、日常の謎を解き明かしていく物語です。

全9編から成る本作は、ミステリー要素とコメディ要素を絶妙に融合させた作品であり、「令和の悪い子の青春小説」とも称されています。

あらすじ

主人公は高校1年生の岡部太朗。彼はN高校の番長・丸木大也に心酔し、自ら進んで「パシリ」として彼に仕えています。

丸木から命じられた「お使い」の途中で事件やトラブルに巻き込まれる岡部ですが、その観察眼と推理力、そして「パシリ」で培った知識と経験を駆使して問題を解決します。

例えば、第1話「ファーストカツアゲ」では、新任教師や転校生とのトラブルが発端となり、岡部が独自の方法で事態を収拾。

また、「最後のあんパン」では、パン屋で起きた些細な争いが意外な展開を見せます。

これらのエピソードを通じて、岡部と丸木の関係性や、それぞれが持つ人間的な魅力が描かれています。

魅力的なキャラクターたち

岡部太朗(主人公)

史上最弱の探偵でありながら最強のパシリ。

観察力と推理力に優れ、「パシリ」という立場を誇りに思いながら日々奮闘します。

その理屈っぽさや小生意気な一面も愛される理由の一つです。

丸木大也(番長)

昭和的な「番長」のイメージそのものながら、人情味と男気に溢れたキャラクター。

岡部との関係性は、ホームズとワトソンを逆転させたようなユニークさがあります。

脇役たち

物語には個性豊かな教師や同級生たちも登場し、それぞれが岡部と丸木の物語を彩ります。

特に「遺伝子」に興味を持つ教師が登場するエピソードなどでは、社会的テーマも織り交ぜられており、一筋縄ではいかない深みがあります。

本作の特徴

1. 新感覚の日常系ミステリー

本作はミステリー要素を持ちながらも、殺人事件や大掛かりな犯罪ではなく、日常生活に潜む謎やトラブルをテーマにしています。

この「日常系」という親しみやすさが、多くの読者に支持されています。

2. コメディとシリアスの絶妙なバランス

芸人としても活躍する著者ならではのユーモアが光ります。会話のテンポやボケとツッコミの応酬はまるでコントを見ているかのよう。

一方で、人間関係や成長物語としての深みもあり、笑いだけで終わらない読後感があります。

3. 連作短編という形式

全9編それぞれが独立したエピソードでありながら、通して読むことでキャラクターたちの成長や関係性の変化が見えてくる構成。

短編形式なので、一話ずつ気軽に楽しむことも可能です。

読者からの評価

高評価ポイント

- 「テンポよく読める」「一気読みしてしまった」といった声が多く、その読みやすさが好評。

- 主人公・岡部と番長・丸木の関係性が絶妙で、「バディものとして面白い」という意見も。

- ミステリーとして伏線回収が巧みで、「え、これ伏線だったんだ!」という驚きがある点も評価されています。

惜しい点

- 一部読者からは、「昭和的な番長という設定に違和感を覚える」という意見も。ただし、その古めかしさこそが本作ならではの魅力という声も多くあります。

おすすめポイント

- 笑いと推理を両立した作品を求めている方

- 短時間で楽しめる短編集を探している方

- コミカルなキャラクター同士の掛け合いが好きな方

特に、「スケットダンス」などギャグ×青春要素が好きな方にはぴったりです。

また、本作は普段あまり本を読まない方でも気軽に手に取れるライトな文体なので、多くの層におすすめできます。

まとめ

『探偵はパシられる』は、「番長」と「パシリ」という一見古風な設定ながら、その裏には令和ならではの新鮮さと普遍的な人間ドラマがあります。

軽快な会話劇と緻密な伏線回収で読者を引き込みつつ、最後には温かな気持ちになれる一冊です。

続編への期待も高まる本作、この機会にぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?


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Nao
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