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京大2023年前期入試で出た Consciousness, Qualia 関係の問題について思ったこと

京大の月浦さんと森口さんから、今年の京大の前期試験で Consciousness, Qualia に関する英語の試験問題が出たとの情報! 読売のサイトから行くとまさに! http://yomiuri.co.jp/nyushi/sokuho/k_mondaitokaitou/kyoto/mondai/img/kyoto_zenki_eigo_mon.pdf

元ネタは、 Montero 著:Philosophy of Mind: A Very Short Introduction の5章! https://academic.oup.com/book/40043/chapter-abstract/340492009?redirectedFrom=fulltext… 相変わらず、京大の入試はややこしいところを翻訳させるスタイル。懐かしい!
(A very short introduction シリーズは、様々な分野の概要がわかりやすくまとまっているため、テキストブックとしての評価が世界的に高い、らしい。日本語にもいくつか翻訳されている)

俺がもし受験生でこういう話を知らなかった時に、この問題を試験会場で始めて読んだら、意識・クオリア研究に目覚めただろうか?

将来、この試験問題がきっかけで意識・クオリアに興味をもちました、とかいう学生が来るかもしれない。。。

前半でJazzと意識が比較されている。Jazzは他の音楽と比較できるが、意識は比較できない。と書いてある。(ここでは意識があるときと無い時の比較ができないと言っている)

でも本当にそうか?寝ている時・麻酔をかけられている時に、無理やり人を起こしてその直前がどうだったかを聞くことは可能。

覚醒時・ぼーっとしている時などにも「人を起こして」直前の経験を聞ける。覚醒時〜はっきりした夢を見ているREM睡眠、ぼんやりしている覚醒時〜Unclearな夢を見ているNREM、全く経験のないNREM〜深い麻酔〜深い瞑想は、Qualityとして似ているとかが示せるかも。

そういう方向性の研究は実際少しだけある。
Perogamvros, L. et al. The phenomenal contents and neural correlates of spontaneous thoughts across wakefulness, NREM sleep, and REM sleep. J. Cogn. Neurosci. https://doi.org/10.1162/jocn_a_01155, 1–12 (2017).

そして、それぞれの似ているQualia の状態の脳からリカバーされる情報構造も似ているはず。というのがIITの予想。というか、我々のIITの解釈。

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