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ナオ
2016年4月27日 06:49
例えば隣家の蛍光灯の下で照らされる今夜の夕食の味を、そこで交わされるお決まりのジョークも、わたしの知りえないこと。まるで、遠い国の話のように。__ __ __夜、21時半。グレーの背広を着た二人の男。駅のホーム。背中合わせに座る。知らないもの同士。培ってきた、言葉の使い方も、大事な場所のことも、愛することの出来ないままの思い出も。知ることはない。通り過ぎて行くもの同士。何もかも少しず