ソフトクリームの思い出
近くの保育園の空きがなくて、一駅隣の保育園に通っていて、毎日、朝は早くから朝ごはんや準備をして送って、帰りは仕事から急いで帰って、迎えに行っていました。
帰り道にケーキ屋があることに気づき、誕生日などに買って帰ったりしました。夏になるとソフトクリームを始めたようで、息子が好きなので、たまに寄って、食べて帰ったりしました。
ある休日にケーキを買いに行って、待っていたら、お店の女性がソフトクリームを息子にプレゼントしてくれました。
毎日、慌ただしく仕事に子育てに奮闘していたので、その優しさがとても沁みました。
その後に近所の保育園に入ることができ、一駅隣で駅からも少し離れているため頻繁には伺うことはできなくなりましたが、年に数回ですがイベントや贈り物等で行ける時は、そこまで買いに行きました。いつもの女性の方が私を覚えているのか分からず、なんとなく気が引けて、話さずに買って帰るだけでした。
息子が大学に入った時、何かを買いに行って、帰り際に思い切って、大学生になりましたと伝えたら、覚えていたかは分かりませんが、喜んでくれました。
それから6年がたち、年に数回しか行けないので、相変わらず、通常は何も話さずに買うだけでした。そのお店では美味しいチョコレートのお菓子を作られていて、バレンタインデーに職場の方に渡すと評判もいいので、今日も買いに行きました。
いつもの女性がいらして、包装してくださって、私に渡してくださる時に「いつもありがとうございます。」と言って、おまけに1つ焼菓子をくれました。普通のお客さんに対するコメントだったのかもしれませんが、もしかしたら覚えているかなと「昔、ソフトクリームをもらった息子が」と近況を伝えました。女性は、とても喜んでくれました。
なんだか清々しい気持ちで帰路につきました。先方はお客さんに対する通常の対応かと思いますが、子どもが小さい頃は目まぐるしく忙しかったので、あのソフトクリームの優しさが今でも温かい思い出として残っています。