No.23 新世界への不安
バンコクでは、赤信号はただの提案に過ぎない。龍太郎と私は、中華街の縦横無尽に走る道を彼の自転車と私の新しい自転車でトゥクトゥクや車の間をすり抜け、ドンムアン空港に向かった。注文していた自転車が仕上がったのだ。龍太郎は、私の自転車が出来上がるのを待って、日本へ帰国することを決めていてくれた。
「ありがとう、色々と。」
私は、新たな世界を教えてくれた友人に感謝の気持ちを伝えた。彼の目は、旅の終わりの名残惜しさと、無事に日本へ帰れる安堵が入り混じっている。
「ニュージーランドを楽