第37話 磯野、野球しようぜ
拳を握り締め、カツオは叫ぶ。
「なかじまあああぁぁあああああ」
哀れみか蔑みか、まるで躾のなっていない犬でも見るかのような眼でカツオを見下ろす中島の手には、血の滴り落ちるバット。
その傍らにぐったりと横たわり、ピクリとも動かないフネの姿が。
「いそのぉ。なぁ、いそのぉ。僕達ずっと友達だって言ったよなぁ。毎日野球して、駄弁って、親友だって言ったよなぁ。」
声を震わせながら動かなくなった肉塊をバットでこねくりまわす中島。
「僕はさぁ、ただ野球をしようと思って誘いに行っただけなん