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小さい生徒さんの聞こえ方

日に日に寒くなってきました。体調崩していませんか?

今日もご覧いただきありがとうございます。

今日は教室の小さい生徒さんとの授業で感じたことを書いてみます。

小さい生徒さんの英語の聞こえ方

私が勤めているのは個別指導塾で、基本的には担当制で1年間は同じ生徒さんを見ることになります。

1回の授業につき2人まで担当することになり、現在担当している生徒さんは小学2年生から高校3年生まで様々です。

受験生には当然受験に向けて対策を立てていくので、テキストに沿った授業になりますし、中学生もテキストベースの授業がほとんどです。

中学受験をする小学生も同様ですが、受験のない小学生の生徒さんはご希望によって学校の授業理解か英検対策に分かれます。

現在担当している生徒さんは皆さん英検対策を受講しているため、テキストとタッチペンで音声を聞きながら文法、単語、発音、英作文を学んでいます。

そこで気づいたことは、低学年の生徒さんの英語の聞こえ方と発音の特徴です。

一般的に「小さい時ほど耳がいい」「英語は小さいころから聞くと英語耳になる」と言いますよね。

私も「小さい生徒さんほど耳がいいなぁ」「ネイティブに近い発音ができるなぁ」と感じます。

th

英語の発音でthは特徴的で、学校の授業でも先生が見せてくれると思います。

「舌を前歯の間にちょこっと出す(挟む)」あれです。

この音、カタカナで表すと何になりますか?

大人の方や中高生の生徒さんはほぼ「ス」で発音するか、知っている方は「舌を前歯の間にちょこっと挟んで”th”」と発音できると思います。

さて、小さい生徒さん、今までの経験から言うと年中さんから小学3年生くらいまでの生徒さんはどうだったかというと、

「フ」の音で発音していました。

大人と子どもとでは聞こえ方が違うのかな~と感じた最初です。

他にも”r”は「あ」「う」の音になり、”t””d”も「わぁ」「うぁ」のような音になります。

manth 「マンフ」
rabbit「アビット」
bird「ボーウ」
computer「コンピウアー」

と無理やりカタカナにしましたが、こんな風に聞こえる発音でタッチペンの音を再現してくれます。

まさに聞こえたまま声に出してくれているので、生徒さんにはこのように聞こえているのでしょう。

発音は自分で矯正できる

その時講師として私が何をするかというと、何もしません。

発音を訂正したり、「その音違うよ~」なんて言いません。

例えばカエルの絵を見て”bird"と言っていれば訂正しますが、発音を直すことは一切していません。

小さい生徒さんの聞こえた音はこうなんだな~とひたすら感動しています。

大事なお子様を預けている保護者様には怒られるでしょうか…

しかし、この後タッチペンでネイティブ音声を聞き続け、一緒に発音をし続けるうちに何が起こるかというと

小さい生徒さんたちは自分の力で発音を矯正し始めるんです!

これも講師になってから知ったことで、こうした場面に立ち会えるとさらに感動~✨

先週の授業では「アビット」と言っていた生徒さんが、今週は「rabbit」と言ってる!! そんなことがあるんです。

小さい頃は耳がいいとはいえ、それをすべて忠実に再現するには口の中の筋力が足りないそうです。

事実、日本語と英語では口の筋力を使う場所が違うため大人でも再現は難しいですよね。

筋力の発達していない頃ならなおさら、やりたくてもできないではないでしょうか。

しかし毎日のように英語音声を聞き、一緒に歌い話しているうちに自然と筋力がついてきて、”r”や”th”などを再現できるようになってくるのです。

この過程はご本人も意識しているわけではないので、特にストレスもなくネイティブ発音に近づけるというわけで、やはり小さい頃からの積み重ねは大きいですね。

口の形を教えてあげる

さて、そうは言うものの発音の仕方を教えてあげたい時、私の場合は口の形だけ伝えるようにしています。

”th”なら「前歯の間に舌の先だけちょこっと挟む」の形をマスクを取って見せてあげる。

”f”なら「上の前歯が舌の唇にちょこっと触る」の形で「フ~~~ッ」とすると一緒に楽しく”f”の音が学べます。

一緒に日本語の「フ」をしてみるとさらに違いが分かりやすいですね。

生徒さんも様々なので、口の形を見せても「ふ~ん」と関心がなかったり、全く見なかったりもします。

でも時々思い出したように見せると、ちょっと真似してくれたり、「こんな形だよね、もう覚えた!」とやって見せてくれたりします。

発音を訂正されると話すことが嫌になってしまいかねません。

本来持っている力をただ伸ばしてくれれば、発音はそれで十分なのだと実感します。

中学年から高学年の変化

こうした変化はよい方向ばかりではなく、高学年、早ければ中学年になると、今度は日本語発音に矯正し始めるのでちょっと寂しくもあります。

個人差ありますが、男子の生徒さんは「オレ発音わかってる!」みたいにネイティブ発音のまま維持する気がしますね。

対して女子の生徒さんはキッチリ日本語発音になります。もうキッチリ!

タッチペンでいくら聞いても、カタカナに直して発音してきます。これは低学年から見ているこちらとしては寂しくもあり、成長の証なので嬉しくもあります。

社交性の発達、という面でご本人の成長の一つであることは間違いないので、ここでも無理に発音を訂正することはしません。

この時期でもとにかくタッチペンでネイティブ発音を聞く、真似するを繰り返します。

カタカナ発音で繰り返すことで筋力が落ちるのは仕方ないとして、英語から離れてしまうよりはいいと大きな気持ちで続けることが必要な時期だと思います。

最後に

今回は小さい生徒さんの発音についてつらつらと書いてみました。

感動すら覚えるこうした変化に立ち会える!塾講師をしていてよかったなあと思います。

大人とは聞こえる音が違う、とても素直に真似している生徒さんたちを見るにつけ、自分の汚れた心が浄化される気がします。

素直に真似して話したいなあ~

間違えたら恥ずかしいとか言ってる場合じゃないんだよなあ…

精進あるのみ!

長々と拙い文章をお読みいただきありがとうございました。またお付き合いいただけると嬉しいです。
それでは。




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