つなぐ点と線 「えん」持ち星は飛ぶ【インタビュー⑥】
常に研究、常に探求 知恵を結集しまた世界へ
――今実際にカネと関わりがある人やお客さんは、ここまでの話で金子直矢と会社がいかに作られてきたかが大分わかってきていると思う。話は現在地まで戻ってきた。今後についてはどう考えている?明確なビジョンがあるのか、漠然としたイメージがあるのか。長期、短期それぞれの目標があるのか、とか。
いくつか軸があるんだけど、まず会社に関しての第一の目標は持続させること。売り上げがいくらとか従業員を何人にするかとかの具体的な数字にはさほど重きを置いていなくて、何より事業を続けることが大事だと思っている。
時間って切り口で言うと、今のところは40歳を法人として迎える、てのがまず目標。でもそれは通過点で、50、60歳と設定年齢を上げていきたいってのは一つあるかな。
その上で、大局的な視点では①で話したように、健康寿命の向上に寄与したい。
さらにもう一つ言うと、これも以前話したけど、自分たちの技術やノウハウを海外に輸出したいと思っている。ノヴァークスでカバーしようとしている領域のレベルや設備環境などの日本の状況ってのは、世界と比べても決して劣ってはいないんだよね。
日本の高齢化社会っていうのも強みとして打ち出していけると思っていて、高齢化の波をその国が経験するときに、日本で自分たちが経験したことをロールモデルとして提供できるんじゃないかと。
――高齢化社会のトップランナーだもんな、日本。「高齢化社会におけるヘルスケアの効果的な役割」ってパッケージを海外で活かすということか。
それらのビジョンを持ちながら組織を構築したい。具体的に言うなら、トレーナーらの技術とホスピタリティを掛け合わせたサービスを提供できるチームを作る。日本から海外へ、ヘルスケアサービスを輸出できればと考えています。
個人としては40歳までには大学院を卒業するって決めていて、今は前段階としてビジネススクールに通っている(注:インタビュー当時の23年は在学。その後卒業し、24年に英国立アングリア・ラスキン大学院に進学した)。
MBA(経営学修士号)を取得して、その過程で得た知識を自分の経営する法人に活かせていけたらと思っている。
――なんか何年もずーっと勉強してるイメージあるな。
そんなことないよ。もっとやっている人たちを間近で見ているからね。
俺は専門卒だったから、20、21年の2年間、通信制で大学に通っていました。コロナの期間だね。
40歳までに院を卒業するには、まず35歳までに大学を出たいなと見通しを立てた。大学にしても院にしても、いつでも最前線の情報にアクセスできる場所にいたいって気持ちがモチベーションにある。
そういう意味では今後、トレーナー系の大学にも行くかもしれない。妻には「また?」って言われるんだけど笑。なんにせよ、彼女の支えがあるからこそだから感謝しているよ。
――間近で見ているもっとやっている人、てのは顧客のこと?接していく中で、視野の広さを自分も身につけなきゃ、となった?
そう。学歴とか会社の規模に関わらず、「すごいな」と思える人たちばっかりでさ。自分がハタチの時には、知識や教養を身に着け文化を学ぶことを全く意識していなかったから、これはお客さまと向き合って、社会経験を積む中で生まれた欲求だね。
――昔と比べて、文化、アート、体系的な知識とかへの関心を持っている言動をするようになったと思う。
そういうものを学ぶことが楽しくなった。今も茶道を習っていたり、スクールでも色んな人とビジネスやそれ以外の事を話したり。スクールは英語で毎月レポート書かないといけないから(注:インタビュー当時。24年5月現在は院にて英語論文を執筆中)、常に頭は抱えているけど笑。
こういう生活って40、50歳になったら出来ないんじゃないかって不安があるから、体力のある今のうちにって思って。会社の立ち上げもそうだね。自分が不器用なのはわかっているから、一個一個積み上げていくしかないっていう。
自律思考するチームは生涯サポートの夢を見る
――目標を設定してそれに向かって遂行して、チェックポイントをちゃんと達成してきているよな。
メンター的に思っているお客さまに言われた言葉が強く自分の中にあって。「トレーナーとして金子君は頑張ってると思う。でもそれを一プレイヤーで終わらせるのか、組織をマネジメントするのかは君の腕次第。どっちが良いとかでもないし、君が行きたい方向に行けばいいけど、どうしたいの?」みたいに言われて。
一プレイヤーとしてトップを目指す道もあるけど、それだけが自分のやりたいことか?って自問したらちょっと違うな、て。であれば、必要なスキルを身につけるしかないじゃん。自分は元々経営能力なんてないけど、リッツという用意された組織の中ではマネジメントができていたから、外に出ても自分で同じことができるようにしたいな、と。
フィットネス、トレーナー業界でそういう動きをしている人って少ないんだよ。だから自分で作るなら何が必要かな、て考えるようになった。
――チームで動きたいと言いつつも、⑤で話していたように一トレーナーとしても続けたい。その両方を叶えようとしている。
そうね。いまみさせていただいているお客さまに対する責任もあるし。その人たちには生涯自分が付き添うってくらいの気持ちでいる。本質的にトレーナーの仕事が好きだしね。
でも、個人だけでやると、必ずどこかで頭打ちが来る。個で抱えられるお客さまって、人間1人分の時間の中にしかないから限界がある。1日8時間、それが1週間、さらにそれが1ヵ月、なんて単純計算では体力的にもどこかでエラーが起きる。
顧客が満足できるサポート体制、隣り合う領域の業種との連携、後輩育成、そういう多くの面で会社という形にすれば叶えることができるんだよね。
そして会社組織をうまく運営するためにも、いま経営学などを学んでいる、という状況かな。
――話を聞いてきた全ての段階が、カネの目指すところ、行動原理に作用していることが改めてわかった。ノヴァークスがどんなチームになっていくか楽しみだ。
医療との連携やヘルスケアについてなら「ここに来てくれれば横の連携で専門家たちがサポートできます」と言えるのはうちの一つの強みになると思います。そしてそれを、長期的に生涯サポートできるような関係にしていく部分にも強みがあると思う。改めて言うけど、かかりつけ医のトレーナー版だよね。
ここまで話したような考え方、取り組みに賛同してくれる方やトレーナーがいたら、ぜひつながりたいと思っています。(おわり)
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