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何故こんなに見えるものが違うのだろうと思ったら・・・



 実は昨年も、ほぼ同じ時期にニムラナにもジャイプールにも、何ならバグルー村にも訪れている。
なのに、見える景色が去年とまるで違う。
内面的なものではなく、そこにあるものが違うの。
そして、その大きな理由は間違いなく天気だろうと思っていた。


去年も独立記念日前の8月、雨季のこの地を訪れた。が、去年は殆ど晴れ続きだったのだ。時折スコールの様な雨が短時間降るものの、日中の殆どは晴れていた。
仕事の関係上、旦那と共の長旅には、残念ながら夏と春の所謂学校の夏休み、春休みを利用することになる。
去年の晴れ続きもおかしな天候だったのだろうが、今年はまた異常に雨が多いらしい。8月に入って雨の降らない日はないとジャイプールの友人は言っていた。
砂漠の地、ラジャスターンだから雨は恵、悪い事ではないと彼女は言っていたが、降りすぎではないだろうか。。。
 今年は、ニムラナからジャイプール、また、ジャイプールの街中でも郊外でも、天秤の両側に何かをぶら下げて歩くオレンジ色の衣を纏う人々に遭遇した。
友人曰く、これは雨季のこの時期にガンガの水を地元の寺院まで運んでいるのだという。ガンガの水ってどこから?と聞けば「ハリドワール」だと言うではないか。その距離500キロだ。
はじめてこの人たちに遭遇したのは、8月9日、ニムラナからジャイプールへ向かうシャープラ近郊。雨の中裸足で黙々と歩く人々に遭遇した。
次に会うのはジャイプール郊外、そして8月12日にはジャイプールからデリーへ向かう途中といった具合に沢山のオレンジの人々に出会った。
始めて出会った彼らは数人で黙々と歩いていたが、12日に会った彼らの多くは飾り付けられたトラックと共に歩いていたりした。
地元のシヴァ神の寺まで運ぶのだそうだ。

AGRA ROAD  Jaipur 郊外

暦が違った!!

何故、去年は同じ時期にこの地に居たのに 出会わなかったのだろう? 雨期なのに雨が降っていなかったから?なんてとぼけた事も考えていたが・・・
そもそも暦が違っていたのだ!

寺の前にはデコトラと沢山のオレンジの服の巡礼者が。

ヒンドゥー暦のサワーン月に行われる ヒンドゥー教徒によるシヴァ神のための巡礼なのだ。彼らの事を「カーンワリヤー」と呼ぶらしい。
友人からは、雨季のこの時期にとしか教えてもらわなかったので、何故去年も雨期だったのに。。。と思っていたのだが、単純に雨期に行うわけではなく、サワーン月に行う巡礼だった。
毎年イスラム暦のラマダンの時期がずれるように、ヒンドゥー暦のサワーン月は私たちが普段使っている暦からはずれていくものね。
なーんだ!
暦がちがったんだ‼
暦だって一つじゃないんだよ‼
しかし、今年のサワーン月は雨多いな~。

雨季のバグルー村

こちらは単純に、雨だからと言う理由だろう。
昨年、沢山の生地が干されていた、あの広場は、ただのぬかるんだ空き地になっていた。

今年2024年8月のバグルー村
昨年2023年8月のバグルー村


染めて、洗って、干して、また色を重ねて染めて・・・の繰り返しのバグルーのブロックプリント、干せなかったら仕事にならないね。
昨年見学させてもらった作業場に、職人さんの姿はなかった。
 唯一、木版を作る職人さんは、今年も黙々と版を彫っていたよ。

左、版にデザインを写す職人さんと 右、版を彫る職人さん

しかし、雨続きでお仕事ができないこの時期、職人さんたちのお財布事情はどうなっているのだろう?
ここへ来る途中、バグルー村の交差点で多くの人が仕事を求めて集まっているところに出くわした。
スコップなどを肩に担ぎ、そこからどこかへ向かって歩く若者のグループも見かけたが、彼らには今日の仕事があったんだな・・・なんて思いながら車から見ていた。
職人さんたちの暮らしが保証される仕組みがあると良いのかな?などとも思ったが、外からシステマティックな考え方を持ち込むことが 必ずしも良い事ではないのでは?とも思ったり。
 インドは、良くも悪くもインドらしくその職人技を繋いでいって欲しいななんて外から見ている人のエゴね。
 ただ、彼らが紡いできた手仕事が大好きだし、その技や時に無駄とも思える労力を惜しみなく称えたいし、尊敬している。
 さて、次はいつ行けるかなぁ?
年が明ける頃、友人に家族が増える予定だ。
出産祝いを持って行かなくちゃね。
でも、来春はバングラ行きが決まっている。
うーん、時間が欲しいな。お金もね(笑)

おまけの写真はジャイプール市内の冠水した道路


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