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HD-2DドラクエIIIは、HD-2Dではない件
タイトルの通りなんですが・・
ぼくは元々それほどドラクエ好きではありません。
が、少し遊んだことがあるものは、1,2,3,4,5,6,7,11・・・とそこそこあります。クリアしたのは1作だけで、SFCの3です。
SFCの3は音楽もグラフィックもずば抜けてよく、最も完成度が高いのではないかと思います。(6も同じくらい良いですね)
で、HD-2D(と言われている)ドラクエ3なんですが。
最初に発表された画面は、確かにHD-2Dでした。
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マップチップを組み立てた昔ながらの造りに、遠近感といくらかの立体感を持たせています。すばらしい。正直、これは欲しいと思いました。
しかし、長い沈黙の末に全面的に作り直され・・・
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完全に別物に。
アリアハンのお城も・・・
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何をもってHD-2Dと言っているのか
見ての通り、作り直した後のものは「3D」なんです。
2D(マップチップ構成)の懐かしさと現代的なビジュアルの融合ではありません。ただ単純に3Dマップになっています。
キャラクターだけはドット絵ですが、3Dマップにドット絵キャラを乗せたものは遥か昔からあり、代表的な作品には『グランディア』や『英雄伝説 空の軌跡』などが挙げられます。
つまり、それを敢えてHD-2Dと呼ぶのはおかしいのです。
何が失われたのか
平面マップのドラクエの醍醐味の一つに、「見えているけどいけない場所」というものがあります。これは3Dのドラクエで失われた重要なファクター。
HD-2Dは俯瞰視点であることは変わらないのでこうしたゲームならではの面白さが残りますが、3Dにしてしまうとすべて失われます。
マップを探索する感覚も全然異なるものになってしまいます。
大切なのはそこじゃない?
しかし、大切なのはそこじゃない。面白ければいいじゃないか、と思う人もいるでしょう。
たしかにそれは重要です。
これは、リメイク作品に何を求めるかの違いです。
ぼくは冒頭で書いた通り、SFCのドラクエ3が至高だと思っています。
なので、あの雰囲気をさらに高め、ドラクエとして初の試みであるHD-2Dという表現になるのであれば面白そうだと思いました。
3Dのドラクエなら、フル3Dの11などでいいのです。
そう感じた人も少なからずいるのではないでしょうか?
だから買うのをやめました。
ただ、面白ければいいという考えにしろ、昔ながらの良さが欲しいという考えにしろ、それはユーザーの好みということでいいのですが、明らかにHD-2Dじゃないものをそう呼ぶというのは間違っていると思います。
これでは定義が崩壊してしまい、何を基準に考えればいいのかという混乱が生じます。
そこは改めていただきたいと感じました。