思い出した夜に


会いたい人がいる一方で、会わなくなってしまった人のことを思った日。

自分の人生で心を通わせる人たちはそう多くなさそうだけど、それでもその全ての出会いが一生続くものではないことも今はじゅうぶんに分かっている。

恋人でも、友達でも、奇跡のような巡り合わせで一度はとても分かり合えても、タイミングや転機ですれ違ってしまうことが少なからずあって、そのまま離れてしまうことも更に少なからずあって、そういうとき私はすんなりそれを受け入れてしまいます。

追いかけたり、説明したり、そうした努力をすることが正しいとは到底思えなくて、"そういう運命だから"と納得してしまう。離れてしまう時は遅かれ早かれ必ず来るし、必要な関係ならどんなに時間が経っても遠くてもまた会えることも知っているから。

そのせいで冷たい人だと言われることもあるし、そう思える前のもっと幼稚だった頃は、必然の運命より執着しか知らなかったから、自分が一生懸命になればどうにかできると思っていたけれど。それはほんとうに間違いで、そうして無理やり繋いでいてもなんの意味もない。全てはなるようになっているということ。
一瞬の選択の積み重ねが今であり目の前の全ての答えなのだから。

離れていても好きだよ。なんて呪文でしかなくて、現在進行形で愛してるんだよこっちは。

どんなに時間が経っても、物理的に距離が遠くても、気持ちが隣にあるかないかくらいは分かるし、それくらいは分かる自分でいたい。


ずいぶん離れてしまったあの人たちも、どうか幸せであってほしいなんてそんな感情があるわけないのですが、やっぱりどうか幸せでいてください。

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