JIN "I'll Be There" にありがとう
ジンくん、そう来たの。
陽気で優しいバンドサウンドなの。
私たちのために歌ってくれるの。そうなの。
お顔がとても良くていらっしゃるの。
ラインストーンなんてつけていらっしゃるの、The Astronautと同じく、MVでそのキュートな口元でクールなお目元のきゅるきゅるご尊顔を見せてくださるの。
ありがとうございます!!!!
意外だったなという気持ちと、さすがジンくんだという気持ち。
意外だったのはシンプルなバンドサウンドということ。さすがだなと思ったのは、私たちとの関係性を主語に、かつ自身の存在と歌を自信もってどーんとその真ん中に置いてくれていること。ワールドワイドハンサム、ご健在!
BTSはそれぞれと異なる信条とこだわりを持つ7人が、お互いをリスペクトしながらも自分のやるべき事にも手を抜かないことで、色んな面を広く深く見せてきてくれたんだな、と各自のソロ活動が始まってみてわかるようになってきた。
例えば自分のルーツを掘り下げるホビ、世の中への違和感を口にして自分の輪郭を確かめるナムさん。クサズが与えてくれる感動のコアは"彼ら自身の内面から出てくる表現のストロークの長さとその過程"である気がする。
なぜ彼らはそのように考え発信するに至るまでどんな葛藤があったか、想いを馳せるたびにクサズの真面目さに尊敬を深める一方、彼らと言葉も違えば彼らが大事にするカルチャーも深くは知らないから、私はそれを1割も理解しきれていないだろうなとも思う。別にそんなこと求められていなくても、ちょっとだけ苦しくて距離を置きたくなる時がある。
対照的に、7人の中でもジンくんとグクはそうと感じさせなくって。グクは、自身の内面から何かを出していくというより、瞬間的に視覚聴覚すべてを持ってしてガツン!と感動を与えてくれる。非常に贅沢で高級なショーを見ているかのような気分。ダンス、歌、衣装の着こなし全てをもってして、言語や文化を超えたアイコン、まさに"グローバルポップスター"としての強さ。
ジンくんは、もっとシンプルに天性のアイドル、天性の歌手だ。昨今の、複雑になった、推し活とかいう言葉で急に市民権を得てしまった、SNSで色んな意見が存在するようになってしまった、流行と逆張りが波のようにうねって存在する、ファンにとっても(おそらくアイドル自身にとっては、もっと)生きにくいアイドル業界で、とんでもない大正解を示してくれる。
アイドルの価値を説明するのは、ダンスや歌のスキル?複雑で意味深な世界観のプロモーション?アーティストはアイドルより偉いの?深いの?近年のアイドルとファンの関係性は、健全?不健全?
そういうことじゃないんです。
"僕がいることであなたが笑顔になれる、
たとえあなたが沈んでいてもね。"
そのシンプルな関係性をぴーーんと張って、凧を青空へ上げるかのごとく絶妙なバランスで走ってくれている、と今回の動画を見て思った。
凧、というのもなんか変な例えだけど。
ややこしくなってしまったアイドルという職業のど真ん中で、そのシンプリシティを伝えるためには、やっぱり走らなきゃいけないんだ。自然体でいるからいい、とかじゃなくて、じゃあコラボとかで何か動力をつけてやろう、じゃなくて、彼自身が、走る。
しかも彼自身に行きたい方向があるんじゃなくて、凧を上げるために。ファンと自分の関係性の一定の距離を保ったまま、それがピンと綺麗に張って、気持ちよくもう一度大空にひるがえすために。
ジンくんらしからぬラインストーン、クールな目元に少しアンマッチ。ちょっと無理矢理テンションにも見えるアイドルジャンプ。
そのメイクアップや動作そのものに彼の本質はないんだけど、そうやって本当の自分から距離をとって魅せているスタンスに彼の本質はある。プルプルの口をむんっと閉じる顔や、強く音を発するほど窓を磨くようにキュッと鳴る声に、十分すぎるくらいに彼らしさが溢れ出ている。これまでグループの中でも見せてきてくれていたジンくんの姿だ。
そして、僕の顔見てれば幸せなんでしょ?とでもいいたげな顔のアップ。はいそうですあなたの顔を拝めるだけでも私たちはHappyでございます大正解です……!
根っからの自信家ではないはずの彼がそうやって自分とファンの関係性の中にどーんと'自分を見せること'を置いてくれること、改めてその素晴らしさを噛み締めた。愛して欲しいと願って飛び込むより、あなたなら愛してくれるよね?と絶大な信頼を置いて飛び込んでいく方がよっぽど勇気がいる。そんな"Boy with luv"で見せてくれたありがたい愛のスタンスを、彼は継続して伝えてくれる。
しかもメッセージが I' ll be there、
I swear that I always sing for you。
最高じゃん。
これがジンくんのこれから、第二章なんだ。
感銘を受けたし、とにかく感謝した。
余談ですが私が学生時代からずっと大好きだった嵐の相葉雅紀くんに少し重なると思ったんです。24時間テレビでの共演も記憶に新しく、撮影の目撃現場も出ている相葉くん。I'll be thereのノリ方、手を広げたり片足を上げたりという仕草が似ているんです。
相葉くんって嵐の活動休止後唯一?かな?歌って踊ってということを番組の企画内でやっているんですが、その時の1発目の曲もサンボマスターさんに提供してもらったバンドサウンドで、こんな風にリズムに乗っていて。
踊ってくれないんだ、あんなにダンス上手いのに、と残念だった一方、"振り付けから解放されたんだ"という変な思いにもなりました。なんだかちょっと手持ち無沙汰な、だからこそ溢れんばかりの何かをもどかしく感じさせるような動作はきっと、定められた振り付けより彼の今と未来を感じさせたのかもしれない。
何が言いたいのかというと、努力によってスキルも名声も人気もすべて一旦手にした人にしかできない余裕と可能性を共通して感じたんです、相葉くんにも今回のジンくんにも。
天性のアイドル、ファンを幸せにするという軸をぶらさないことができて、まずはシンプルな形でそれを再びやってみせるのともできて、でもなんでもできるからこそ一つ一つの動作に未来に向けた力を感じる。きっとジンくんもこれからは曲によっては踊る。踊らなくても十分見応えあるけど。
そんなジンくんと相葉くんが何を撮影していたのか気になりつつ、全然話変わるけどホビはこれからどうするんだろう!とワクワクしやがら筆を置くことにしますね。