「書く仕事」との出会い_note100日チャレンジ_2/100日
フリーライター7年生のわたし。さまざまなところで、「なんでライターになったんですか?」「フリーになる前はどんなことを?」と聞かれることが多い。
毎度説明がちょっとむずかしいのだけれど、今日はそのことについて書こうと思う。
出版社or編プロ→独立が王道
一般的には、大学卒業後に出版社や編集プロダクションなどの会社に勤め、経験を積み、やがて独立してフリーになる――というパターンが多いようだ。しかしわたしの場合は、ある日突然フリーライターになった。ぽっと出ライターなのである。
前職は小さな会社の一般事務……という名の何でも雑用係。その前はずーっと、コールセンター。さらにその前は、パチンコ店のアルバイト。まあ、どこまで遡ってみても「書く仕事」とは全然かすっていない。
それがなんで、突然、フリーライターに?
ここではないどこかへ行きたいな
あれはそう、コールセンターで勤務していた頃だ。その日は朝から暇で、いやその部署は基本的にずっと暇で、ぼぉぉぉぉーっと椅子に座って、電話が鳴るのをただただ待つ時間がやたらと長かった。でも、コールセンターというのは、「そこで電話を待機している」ことも仕事のひとつなので。いつ鳴るともわからない電話を、ただただ待ち続けなければいけない。当然、待ち時間におしゃべりをしたり、ネットサーフィンをしたりするのは禁止だ。
回る椅子をくるくると回し、室内を眺める。それから、窓の外も。ビルの上階だから、空が近い。今日はよく晴れている。白い雲がゆっくりと流れていく。どこかにお出かけでもしたい天気だなあ。ま、わたしはここであと数時間座って、夜まで、ただただ仕事がやってくるのを待つしかできないんだけど……。
――そんなことをぼーっと考えて、ふと思った。「ここではないどこかへ行きたいなあ」突然の、ポエマー爆誕である。
思わずポエマーになってしまうほど、そのときのわたしは、「ただ自分の時間を切り売りすることで時給を稼ぐ」仕事に嫌気がさしていた。しかも、その時間で何かをしているならまだしも、ただ座っているだけなんて。
もう少しでいい。ほしいじゃない? 「やりがい」ってヤツ。
好きなことって、なんだっけ
やりがいのある仕事がしたい、なんてふんわりとした夢を持ったその日から、自分には何ができるんだろう? 何をしたいんだろう? を考え続けた。そこで思い出したのが、「子どもの頃から書くことがまあまあ好きだったし、まあまあ得意だったかな」ということ。とはいえ、大したことはない。数学より断然国語派だったという程度なのだけど。
「書く仕事」といえば新聞記者くらいしか思いつかなかったが、どうやら「ライター」なる仕事があることも知った。へえ、そうなんだ。じゃあわたし、それになりたい! と思った。単純である。
ところが、だ。フリーライターになる一般的なルートは先に示した通り、「出版社か編プロで修行をした後、独立する」。当時、わたしはすでに30歳を超えており、しかも2人の子持ち。どちらも保育園児で、まだまだめちゃくちゃ手がかかる。激務と言われる出版社や編プロが、そんな面倒な条件があって、しかもノースキル・ノー経験の女を採用してくれるか? ……否。業界を知らないわたしにだって、容易に想像できる。ゼッタイ、ありえない。……あれ、これ、始める前から無理ゲーでは?
これが、わたしにとって「書く仕事」のスタートラインだった。