マガジンのカバー画像

〜2019年_毎日ログ

133
考えたことなどを、適当にぽいぽいしてます。不定期更新。
運営しているクリエイター

#コラム

いつも答えに窮する

いつも答えに窮する

そこかしこで言っているので秘密でもなんでもないのだが、わたしにはさほど大した職歴がない。加えて、今はライターなんてやっているけれども出版社で働いていたとか、どこかの会社でライティングに関わっていたとか、そういう経験もまったくない。

わたし自身がクラウドソーシング出身のライターなためか、周りにもそういった経歴を持つ人が少なくない。だから自分の中ではそれほど珍しくもないのだけれど、やはり一般的には「

もっとみる
不幸を数えるな

不幸を数えるな

と、とても仲の良い友達に叱られたことがある。

そのときは正直「なにくそ」と思ったり思わなかったりもしたのだけれど、今になって改めて考えると、ああ、確かにその通りだったなとすとんと落ちてくる。

その当時、わたしは長年にわたる家庭内のゴタゴタに疲弊しきっていた。言い訳をさせてもらうのならば、そこまで疲れ切ってしまった理由は至極真っ当なものであったと今でも思っているし、なにも積極的に不幸を数えにいっ

もっとみる
よそゆきの声

よそゆきの声

「だれ!?」何度言われただろう。仕事用の電話をひとたび取れば、わたしはまるで別人のように喋るらしい。意識的に切り替えているつもりはないのだけど、不思議とスイッチが入るんだろう。

普段の声と違う発声は、たぶんパチンコ屋とコールセンターで身につけたのだろうと思う。パチ屋ではカウンタースタッフとしてカウンターに立ち、マイクを使ってアナウンスをしていた。パチ屋の喧騒さは言わずもがな、マイクを使うといった

もっとみる
そろそろ、心地よく生きよう

そろそろ、心地よく生きよう

昔から、自分の心地よさというものをどこか置き去りにしてしまうところがあった。

つい、「わたしが我慢すれば」とか「もうちょっと時間が経てば状況が良くなるかも」とか思ってしまうタチで。「つらい、しんどい、もう嫌」といっぺん口に出せば、もう後戻りはできないような気が常にしていて、だからギリギリのギリギリまで、悪口は言わずに耐え忍ぶ。そんなタチで。

それは、自分自身に数えるほどしかない長所の一つだと思

もっとみる
余計なものを、捨てていく

余計なものを、捨てていく

いつからだったのか、それとも生まれ持った性質だったのか、それはもはやわからない。けれどとにかく数年前までのわたしは、なんだかいろいろなものにがんじがらめに縛られて、とてもとても生きにくかった。

最後に勤めた会社を辞めて、なんやかんやでフリーになって、なんとかそのままやってこれて今に至る。フリーとして活動をして2年が経過し、今は3年目になったわけだけれど、その間にわたしはどんどん余計なものを捨てて

もっとみる
母は娘に過去の自分を重ねる

母は娘に過去の自分を重ねる

母とは、わたし。娘は、わたしの娘のことだ。

わたし達は似ている。顔もそうだけれど、中身も。息子は夫似なので、うまいこと分かれるものだなあと感心してしまう。

だからだろう。娘の考えることが手に取るようにわかることもあれば、わたしの人生をなぞるような娘の言動に危うさを覚えることもある。

例えばわたしは、小さな頃から人付き合いが得意ではなかった。といっても、まったくできないとか友達が一人もいないと

もっとみる
雑談とインタビュー

雑談とインタビュー

ライターの仕事はものを書くことだ。けれども、書くのは全体のほんの一部で、実は書く前段階の「準備」にこそ意味があり、時間がかかるものなのだとも言われる。

この準備のことを、ざっくりと括れば取材と呼ぶ。で、取材にもいろんな方法があるのだけど、わたしは特にインタビューが好きみたい。

もっとも、そう感じるようになったのはわりと最近。なにせわたしは、おしゃべりがとんと苦手な人見知り属性なのだ。もっとも大

もっとみる
「楽しい」というラベルを貼る

「楽しい」というラベルを貼る

とあるアニメを見ていたら、主人公の少年が涙しながら、「この気持ちはなんなんだろう」と呟いた。

幼い頃に親に捨てられ、施設でも虐待され、ずっとそこの施設長を恨んできた。それなのに、実は施設長は彼のことを大切に思っていたのだーーなんて話だった。

施設を出て強く生きていた少年が、次に施設長と再会した時、施設長は死んでいた。真実を知り、かつて憎んだ人の死を知り、「それでも許すことはできない。けれど」と

もっとみる
一生懸命にやった方が楽しい

一生懸命にやった方が楽しい

運動会だった。

今年初めて保護者競技に出ることになったのだけど、「ゆるーく走ればいいのかな」という事前の目論見は大きくはずれ、1/4トラックを何年ぶりかの全力疾走するはめになった。

なぜそんなことになったのかと言うと、答えは簡単で、周りの保護者がガチで走っていたからだ。

「スタート」の掛け声と同時に、弾丸のように飛び出すお父さんたち。ついさっきまで子どもたちの徒競走を見ていたせいもあって、そ

もっとみる
大人というかぶりもの

大人というかぶりもの

子どもたちに「起きて」と声をかけ
朝ごはんを用意して
いつもの時間に「いってらっしゃい」と見送る

子どもが出かけた後、乾燥機にかけていた体操着を取り出してたたみ、
体操着袋に入れてやる。

……こんなことをしながら、ふと「わたし、お母さんなんだなあ」と不思議な感覚にとらわれる。

わたしはいつまで経っても大人になりきれない大人で、また子どもの頃の記憶だったり思考だったりもわりと鮮明に残っている方

もっとみる
言葉の持つ力

言葉の持つ力

ホリエモンこと堀江貴文氏が、若手起業家とディスカッションしている動画を見た。

正直、若手の人の話はやたらカタカナが多かったり難しい単語を使ったりで、無知なわたしにはわかりにくかった。けれども堀江氏はあえて易しい言葉を選んでいるのか、わたしにも理解することができた。やはり、小難しい言葉を使うことが知ではないよなあと改めて感じたりして。

さて、議論の内容はわたしが言及できるものではないので割愛する

もっとみる
生理的に感じる「なんか好きじゃない」はスルーすべきじゃないのかもしれない

生理的に感じる「なんか好きじゃない」はスルーすべきじゃないのかもしれない

誰にだって、「なんか嫌だな」「はっきりした理由はないけど、私は好きじゃない」そう感じるコト、モノがあるだろう。もちろん、わたしにもある。

そういったものには、できれば近づきたくない。見ないふりをしたり、聞こえないふりをしたりして、自分のテリトリーに入れないようにしがちである……が、本当にそれでいいのかな? ということを、ふと考えた。



ここで突然、小学生の頃を思い出してみる。

あの頃は好

もっとみる
おこがましいけれど

おこがましいけれど

もったいないなあ、と思った。

何がって、「やりたい」と感じたことを、やろうともせずに諦めてしまうことを、だ。

先日、こんな話を聞いた。

雇われて働くんじゃなく、自分で仕事をしたい人がいてね。ちょうど、なおちゃんみたいな働き方に興味があるんだって。けど、結局はまた別の会社に就職して、働くことにしたみたいだけどーーと。

「その人」のことをわたしは知らないし、その興味がどの程度のものだったのか、

もっとみる
同じ方向を見る夫婦

同じ方向を見る夫婦

同じ方向を見る夫婦でありたい。いつかそう感じたことがあった。

夫婦って物理的にはすごくそばにいるし、身近な存在なんだけれど、見る方向が違っていると全然姿が見えない。だから遠いし、寂しい。

じゃあ顔をつき合わせて、向かい合っていればどうだろう?そりゃお互いがよく見えるけれど、それもどうなのかなあと思ったりする。

お互いを見つめるだけの夫婦は、もうそこからどこへも行けないじゃないか。そればかりか

もっとみる