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読書ノート【ChatGPTvs.未来のない仕事をする人たち】堀江貴文

しかし、私は、新しいテクノロジーが登場した時に、必ず出てくる「仕事がなくなる」論争にはまったく興味がないし、なぜ人がそのような話をしているのかわかりたくもない(タイトルもAIとの対立軸で表現されているが、そもそも「対立」で考えているのがおかしい)。
そんなことより、ChatGPTをはじめとする生成AIはどんなもので、今後の世の中はどんなふうになるのか、いち早く知っておいたほうがいい。それが回り回って、将来の自分のためにもなるからだ。

P2

この書籍のスタンス。テクノロジーは生活を豊かにするために使われるべきと考えているのか。仕事をAIに変わってもらったら、仕事がなくなる分、他のことをやろうという考えがベースにある。変化することに怖がらないことが前提。

私はAIのことをほとんど全知全能の神だと思っている。かつて存在したどんな天才も、一生涯のうちに世に存在するほぼすべての文書やデータにアクセスすることはできなかったし、今後も無理だろう。AIにはそれができる。

P24

すこし大げさな表現に感じる。AIは疲れないし、やる気に左右されない。集中力も関係なく情報をインプットできる。その点だけでも人間を遥かに凌駕している。AIと対立しても意味がないというスタンスだから生まれる考え方なのか。

ChatGPTは、AIに「チャット」というインタフェースをつけたことで、誰でもが使いやすくなり、世界に広く受け入れられるようになった。

P26

ChatGPTが使われる様になった理由。腑に落ちる。今まではプログラミングコードでAIに指示をしなければならなかったが、ChatGPTは普段使っている言語でAIに指示をすることができる。

つまり、人類はテクノロジーのおかげで重労働から開放され続けているのだ。きつい仕事がなくなり楽になっているのは事実なのだから、素直に喜ぶべきだ。

P33

テクノロジーに対立しても意味がない。対立するよりもどう有効的に使うかを考えるべき。

生成AIに関しても初期の段階では、プロンプト・エンジニアリングなどに精通していた一部の層が活発に活動するだろう。そしてしばらくの移行期間を経て、一気に生成AIは民主化していく。
こうした時期に何をすればよいかというと、まずは情報を集めることだ。本書では、多くの人達にとって必要と思われるAIに関する知識や考え方を体系的にまとめることを目的とした。

P35

爆発的に広がっているとはいえ、使いこなせている人はまだ少数派。これからAIが一般化していく流れとなるのであれば、いまから使っていくべき。

【今は会社員だが、何か始めたい人】まずは、ChatGPTを使って不要な仕事をなくそう
私は今までによく「自分の時間と他人の時間はトレードオフであり、他人時間を減らして、自分時間を増やしたほうがよい」ということを言ってきた。とはいえ、会社員だとどうしても、会社のために不要な仕事をしなくてはならない場面が出てくる。そんなときこそChatGPTで仕事を効率化させよう。ルーチンの仕事に使う時間を極力減らし、自分の時間を有意義に使おう。何かを始めてもいいし、遊んでもいい。

P36

具体的なアドバイス。「ChatGPTを使って稼ぐ」という情報は多く出回っているが、それよりも自分の時間を確保できるように使うことのほうが重要。

ChatGPTの本質は、インプットされた内容の「続きを書く」マシーンなので人間側が与える情報が具体的で充実しているほど、質のいいアウトプットを返してくれます。逆にいえば、与える情報が少ない状態でゼロベースからChatGPTにコンテンツを作ってもらうのは望ましい使い方ではありません。「こんなお話を作ってください」とか、「コピーを何か考えてください」とか、漠然とした命令を出す方もいると思いますが、あまり面白いものにはならないのではないでしょうか。

P51

ChatGPTの性質をわかりやすく解説してくれている。続きを作るマシーン。文章の書き方と同じで足りない情報を付け加えてくれる感じか?ライター業務はすでにChatGPTを利用することが前提となってきている気がする。

ChatGPTで重要なのは、一度の命令で完璧な出力を期待しないことです。繰り返し命令を与えて推敲していく作業が大事です。僕自身、ChatGPTを使いながら現行を書く場合、少なくとも1時間は使っています。先述したフォーマットはあくまでも入り口で、ChatGPTと対話しながらコンテンツのアウトプットの質を向上させていきます。

P52

ChatGPTは壁打ち感覚で使っていくイメージ。一度でいいアウトプットはできない。フィードバックが早いから、使っている人間側の成長につながりやすいのではないか。

一般的に何か長めの文章を書こうとする時は、事前に準備が必要です。物語なら最初にコンセプトを設計したり、エッセイやプレゼン原稿であれば何を言いたいのかを定めたうえで、プロット案を整理しておくと思います。ChatGPTも、それと同じです。プロンプトのフォーマットもありますが、結局一番大事なのは「命令力」です。きちんと設計したうえで、命令し、何度もやり直しながら、文章を練っていくことが必要でしょう。

P54

インプットの量と質でアウトプットの質が向上する。これは人間も同じ。AIを魔法と勘違いしないこと。

生成AIの革命の要点を整理しておくと、まず、次の二つが挙げられます。
・プログラミングの知識がなくても、コンピュータに命令できるようになったこと
・コンピュータが、自力で新しいコンテンツを作れるようになったこと
今までコンピュータとのコミュニケーションは、エンジニアがプログラミング言語で命令していました。それが、普段使っている言葉でコンピュータに命令できるようになった。このインパクトは相当大きいです。エンジニア以外の人でも、プログラミングなしでコンピュータに命令できるわけです。

P56

わかりやすい説明。今までの章をまとめてくれている。コンピュータの性能を引き出しやすくなったということ。やりたいことを直接コンピュータに相談できるようになった。

生成AIの進化が多くのホワイトカラーにも影響を及ぼすと予測されています。より詳しい見立てとしては、機械で処理できる単純作業のうち、人間のトレーニングコストや学習期間が長いものほどAIと入れ替えられやすいでしょう。具体的にいえば、弁護士や会計士などの士業、油断すると危ないかもしれません。
一般に、こうした士業に就いて働きはじめるまでには長い学習時間が必要で、そのための費用も多くかかります。そうした人材育成をすっ飛ばし、たとえば月額数千円程度でAIが専門業務を代行してくれるなら、AIに任せてしまったほうが圧倒的にコストパフォーマンスがよくなってしまう構造があります。

P59

学習コストの高い専門業務はAIに取って代わられやすい?特殊な案件以外はAIで処理可能となると予測している。となると専門家はある一定レベル以上にならないと評価されなくなるのか?

これまでは、エンジニアが書いたコードをマネージャーがレビューする作業がありました。ところが、ChatGPTに「こういうプログラムを、この言語で書いてください」と指示すれば、そのコードを返してくれるようになった。ChatGPTがコードを書けてしまうのであれば、マネージャー自身がChatGPTに指示を出して、その内容を確認したり、修正の指示をすればいいだけです。エンジニアは不要となり、マネージャーが一人いれば事足りるようになってしまう。今後、新人エンジニアが育つ環境が一気に減るのを危惧します。人に頼むよりAIに頼んだほうが簡単だと感じるマネージャーもいるでしょうし、そもそも新入社員よりもAIのほうが仕事が早いという状況も出てくるかもしれません。

P128

興味深い問題定義。マネージャーのように全体を理解している人にとっては価値が上がっていくのか?マネジメント能力があればAIを使いこなして仕事をしていけるということか?ただしAIは人間を管理することはできないとされている。人間自体を管理する仕事はなくならない。

「逆にAIによって新しい職業が生まれるのでは?」と考える人がいるかも知れません。私はむしろ、今まで存在していた職業の仕事を、「AIで」やるようになると考えています。したがって、今まで人がやっていたようなことを、AIが簡単にやってくれるサービス自体を立ち上げるのはありだと思います。

P135

AIを毛嫌いしないこと。他の人も同じような意見を持っている。この流れは避けることができないのではないか。どんどんAIを使いこなして、自分の時間を確保できるようになったほうが良さそう。

AIを使いこなすことで、ある領域のスキルが飛躍的に伸びるのは明白だ。藤井聡太さんがあの若さで名人位を獲得できたのは、彼が小さい頃からAIを相手に壁打ちをし続けてきたからに他ならない。一時は不調に陥っていた羽生善治さんが再び強くなったのもAIを使った研究を取り入れたからではないだろうか。
つまり、AIの助けを借りることで人間側の機能も進化するのだ。当然のことながらAIは弱音を吐くことなどなく、何百局であろうが練習に付き合ってくれる。そのうえ、持っている知識も膨大である。

P140

AIとの付き合い方をわかりやすく説明している部分。将棋だけでなく、仕事でもどんどんAIを使って自分を成長させていくほうが、効率的。AIを敵対する意味は本当にない。便利なものはどんどん利用していくスタンスで。

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