手作り化粧水が結ぶ母と娘の日常
「コレ、またお願いね」と母から渡される空のボトル。もう何度めなのか思い出せないくらいのやりとり。グリセリンとフローラルウォーターで作る手作り化粧水は母とわたしの愛用コスメです。
フローラルウォーターとは精油を抽出する際の副産物として採取される液体。精油ほど濃度は高くないものの、香りは抜群に良いし、何より100%天然由来なので添加物が得意でない方も安心して使えます。
我が家では主にローズを使っています。ローズと一口に言っても種類もいろいろありまして、中でもローズセンティフォリアを選ぶことが多いですね。ダマスクローズはバラの中のバラというぐらい濃厚で甘い香りが特徴。一方のセンティフォリアはもう少し抑えめな香りのバラでして。こちらの方がわたしのあっさりキャラにもマッチするようです。
香りって不思議なもので、手作り化粧水とはいえほぼ毎日似たような香りを嗅いでいるにもかかわらず、今日は少し香り方に違いがあるなぁなんて感じることもあるのです。ローズセンティフォリアでいうなら、たまに梅干しのような酸っぱさを感じることもあるのですが、それこそがわたしがローズの中でもこの種類を手に取る理由でもあるのです。
バラの花びらを優しく摘んでみると、ベルベットのような少し湿り気を帯びた感触がします。それだけ花弁には水分を含んでいる、ということが言えまして。ということは、ばらの花に含まれる精油成分を抽出するにはたくさんの量の花弁が必要とされるということでもあるのです。
聞いた話によれば、ドロッパーから静かに滴り落ちるたった1滴のローズの精油を抽出するのに50本のバラが使われるとのこと。それだけにローズのエッセンシャルオイルは数mlでも○万もしたりします。
そう考えると…濃度は薄くてもフローラルウォーターも香りはいいですし安価ですし希釈せずに使えるので手間も省けて、かなり使い勝手は良いかと。なんだかケチくさい話にも聞こえて申し訳ないですが、日々使うものだけにほどほどエコノミーな選択も大事だと思います。
ちなみに、バラだけでなく違うフローラルウォーターを気分で使い分けることも過去にはありました。ラベンダーは鎮静作用があるのでニキビや炎症がある際にいいですし、カモミールは小さなお子さんでも安心して使えます。ローズマリーは脂性肌に良いそうで、スパイシーな香りが朝の眠気をシャキッと目覚めさせてくれるのもいいんですよね。
とはいえ、やっぱり最終的にはローズに手が伸びてしまう。母も気に入っているようなので、しばらくは美の女王にお世話になることでしょう。
愛用の基材たちとともに。