和歌山県仁坂知事のメッセージ
私は大阪府の知事を全く信頼していない。口ばかりで何もしていないからだ。大阪は医療崩壊を招き、看護師が足りないということで近隣に援助を求め、さらには自衛隊の派遣を要請した。幸い要請はかなえられたのだが、知事は自衛隊の方々と写真を撮り、「自衛隊が違憲状態であってはならない。九条の改正を」とツイートしていた。アホかと言いたい。九条と医療崩壊は何の問題もない。さらに、「維新は都構想を命がけでして大将の首を取られたが、自民党の憲法改正にはそこまでの気迫がない」というような、「ちょっと何言ってるかわかりません」的ツイートもしていた。頭は大丈夫なのか、かなり心配である。
近隣で大阪の大失態をフォローしてくれたのが和歌山県である。仁坂知事はPCR検査をバンバン施して見事感染を封じ込め、「国の言うことなど聞く気はなかった」とインタビューで答えていた。素敵だ。
その仁坂さんが、昨日ホームページにメッセージを出している。(https://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/message/20201210.html) 読むべき内容を多く含んでいるので、ここで要約して紹介したい。
和歌山は、感染者が出たら周辺部の人に検査を施して隔離、ということを地道に繰り返してきた。知事は、こういう地道な努力を続けていれば、感染は広がらず、医療崩壊などは起こりようがないと言う。正論だ。そして知事は、大阪に「差し出がましいようですが」と何度かアドバイスしてくれたようなのだが、改善できないうちに今の爆発を呼んでしまったとのことである。これを改善しなかったのが府知事と大阪市長であることはいうまでもない。和歌山と大阪の人が会食をして、和歌山の人の感染が確認されても、なんと相手の大阪の人はPCR検査を受けていなかったそうだ。
さらに、大阪の感染爆発により、和歌山にも火の粉が飛んできているそうだ。もともと大阪の南部は救急が脆弱で、最後の砦は和歌山市の大病院だったそうだが、先日はコロナの重症者を和歌山で受けた(ICUの病床が一つ、大阪の患者で埋まってしまう)。また、この患者さんが入所していた福祉サービスではすでに患者さんが出ていたのに、調べずに放っていたこともわかったそうだ。こういう事例には、知事はたいそう腹が立ったことだろうと思う。
大切なことは、患者の隔離、接触者のあぶり出しとさらなる隔離であり、このように保健医療行政の機能を強化することなのだが、いまの世の中では、医療現場が逼迫したら国民の行動を制約しろと言う。しかし保健医療行政は、知事が指導や工夫ができるところである。仁坂知事の結論は、保健医療の機能が不十分であるというなら、それは100パーセント、行政の最高責任者である知事の責任だ、ということだ。この手の問題は精神論ではダメで、もっと頑張れと司令官がいうだけでは失格、大事なのは技術だ、という。(私は大阪府知事の口から、具体的な対策が取られたのを聞いたことがない。反対に、無意味な営業時間の短縮を呼びかけて「我慢をしていただいて」というのは何度も何度も聞いた。)
さらに仁坂さんの言葉で惚れるのは、専門性を有するチームを疲れさせてはいけない、ということである。和歌山では専門的知識がなくてもできる仕事を専門性の高い人にできるだけさせないようにしているとのことだ。雨合羽を集めて市職員の手をわずらわせている市長とは大違いである。
仁坂知事は「同じ法律、同じ制度で、何故こんなに違うのか、今こそ比較して調べてみるべきではないでしょうか」と問いかける。さらに、こういうことを考えるのは本来は国であり、国の首脳にアドバイスする立場にある保健医療の専門家ではないか、とも言う。そして最後に国のしていることはGoToはどうだ、ダメなら自粛だ、であり、このままでは日本が危ない、と締めくくっている。
実は、最後の点については大阪も同じで、「大阪いらっしゃいキャンペーン」と称して松井と吉村が串カツを食べ、マイクを共有して「10万円がまだ振り込まれない」、「ボーナスもらったとこやろ」と下品なやり取りをしていたことを私は忘れない。そして危うくなってきたら、吉本だのお友だち企業だのは外して、狭いエリアに根拠のない「営業自粛要請」である。やはりあらゆる結果には原因がある。テレビに出まくって「やってるアピール」をする飾り物はもう結構だから、まともな行政のできる立派な為政者に、大阪の地に舞い降りてもらいたい。そうすればきっと、大阪にも麒麟が現れるであろう(と、これは本筋とは全然関係ないことである)。
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