しまじろうの功罪
みんなが大好きなしまじろうに文句をつけるのは気が引けますが、DVDで「これは気持ち悪い!」と思ったことが何度かあります。
その1)しまじろうがブランコを漕ぎまくっていたら、周りの園児が「しまじろうくん、代わって」と言い出します。それでもしまじろうは無視して漕ぎ続けるのですが、そこに周りが「仲良くトン!順番番。代わってトン!順番番」と歌い始め、その歌に惹かれたしまじろうがブランコを譲ります。すると周囲は大絶賛します。(もしかしたらブランコではなくボールか何かだったかもしれません。)
その2)おもちゃも同様で、気に入ったおもちゃで機嫌よく遊んでいたら周りが「かーしーてー」とやってきます。この時も、しまじろうはまんまと言いくるめられ、おもちゃを譲って褒められました。
私が嫌いなのは、「遊びたい」という気持ちを無理やり曲げられるところと、「人のために自分のおもちゃを譲る」という、自己犠牲が称賛されているところです。人間、思い切り遊んで満足したら、いちいち歌など歌われなくても交代できるでしょう。もう一つ問題だと思うのは、子どもに無理やり譲らせる親には、きっと「友だちにおもちゃを譲れるやさしい子」という「世間体」があるのだろうということです。子どもの気持ちよりも世間体を重視し続けると、マドモワゼル愛さんのいう「月人間」が完成するのだろうなと思います。