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朝日新聞「悩みのるつぼ」の相談者になって掘り下げてみた
掘り下げの練習のためには、自分が感じるモヤモヤ以外に、悩み相談を出してくる人になって心を見つめてみるとよい、ということをお聞きしていました。「朝日新聞be」の「悩みのるつぼ」、本日は、子どもとの不仲に悩む50代女性、ということだったので、なりきってみました。
相談内容を要約すると、大学生の子どもたちがろくに口も効かない、ということです。理由として考えられるのは、夫の転勤の際に自分の仕事を続けるため、単身赴任をしてもらい、それがきっかけで離婚したこと、離婚後は学費と住宅ローンの支払いに必死で働いたが、その際に不自由な思いをさせたのでは、ということだそうです。子どもたちは有名大学に通っているが、勉強はできても嬢を育てられず、親子関係は崩壊状態、というふうに書かれています。
これに対し、美輪明宏さんは
住宅ローンや学費のために頑張った相談者は、それはそれで立派です。しかし、特に大学は本人の努力なしでは入れません。本人たちが頑張ったのです。
このまま老後になったら、手遅れですよね。ここは一つ気持ちを切り替えて、他人同士がシェアハウスで住んでいるような感覚で過ごしてみると、相談者の気持ちは落ち着くのかもしれません。プライベートに口出しをしない、食事も掃除も自分たちでまかなう、といった具合に。
教育費や住む家のお金を払うのは、子供がある程度の年齢に達するまでは当たり前のことだと認識されています。それ以外のつらい思いをしたことで、きっと2人の報復が始まっているのでしょうね。
と答えていらっしゃいます。大切だと感じるのは、大学に入るのに頑張ったのは本人、とはっきりおっしゃっていること、教育費や住む家のお金を払うのは、当たり前のことだと認識されている、と書かれていることです。よく、「ここまで育ててやった恩を感じろ!」という親や、「でも育ててもらったから」という子どもがいますが、「親には扶養義務がある」ということをはっきりさせるのは大切だと思います。そうでないと、『日本むかし話』に出てくるような親孝行な子どもになれ!というふうになってしまうからです。(大学生でも、こう思い込んで親の不必要な束縛を「でもここまで育ててもらったし」ととらえている人は結構います。)
以上を踏まえて、自分だったらどうするか?と考えてみました。「子どもたちが二人ともこの態度、ということは、間違いなく自分に理由があるのだろう。何かはわからないが、このままの家族関係が続くのは嫌なので、きちんと謝り、これからは自分の必死さを押しつけず、相手を尊重しようと思うし、それを伝える。」→「伝えても子どもが変わらない。どうする?」→「理由を尋ねる」→「言ってこなかったら?」→「誠意を見せる。不自由な状況の中、勉強をがんばって立派だったと思う、ということも伝える。」→「それでも態度が変わらなかったら?」→「相手の態度に関係なく、優しく明るく振る舞う」という感じかな、と思いました。
以下は妄想です。ここには全く書かれていませんが、多分このお母さんは、暮らしに追われるあまり、子どもに「いらんこと」をたくさん言ったのではないでしょうか。「学費があるからたいへんなのよ!」とか「感謝しなさいよ!」とか「勉強だけできても、感謝の気持ちがない人間はダメよ!」とか。美輪さんは、相談者の「子どもたちが高校生の頃に服を買ってやれなかった」という言葉に「それは大きかったかもしれない」とおっしゃっていますが、私が子どもだったら、こういうことはどうでもいいと思うでしょう。それよりも許せないのは「毒舌」だと思います。