Green Talk 22: お気に入りができるとそれ以上増えない
今日も雨がつよい日でしたね。雨は憂鬱などのことばと紐づけられやすいですが、最近の私はちょっと違います。
数年前まで。傘はどれでもいいなと思っていました。
いつも使っていたのはPLAZAの2,000円前後で手に入る傘でなくなると困るからスペアをいれて3本。傘立てにはビニール傘もたくさんいました。
数年前に、こちらの傘が家に来てから。
傘立てにビニール傘が増えることはパタリとなくなりました。
今までの傘もそれぞれの良さはあったのですが、これがいい!と。
骨の本数が16本あるので風にもとても強く、それなのにとても軽い。そして開けるのがスムーズでこれは4年たった今も変わりません。
そのおかげで、雨の日も忘れることなく手元にあり、むしろ出番が嬉しいくらい。生地の弾く雨音がとてもすごく真っ直ぐに伝わってくるからです。
そして、何より。とても気にいっている自分のものであるからおき忘れないです。反対にいうと今まで”自分のもの”という感覚が薄い対象として傘があったんだなということも。
無くしても痛くも痒くもないという感覚よりは。「ああ!あれを無くしてしまった!」「壊れてしまった!」というちくっとした痛みは感じていいのだなと。大切にしている証拠がそうさせるからです。
このお気に入りの傘ですが、アクセサリーのタッセルが、昔流行ったボージョボー人形を1000回ぐらい振り回したみたいに広がってしまいまして。
糸がポロポロと出たりしていたので。
前原さんにメールにて問い合わせしたところ、丁寧にお答えいただき、三越本店で購入することができました。
この問い合わせを機に、大事なものだからこそより長く使うため、メンテナンスの仕方などを再度、Webサイトで拝見させていただきました。
そして、改めて前原光榮商店さんのWebサイトにあった美しい言葉と映像にも心惹かれたので、リンクをはらせていただきます。
私の傘は、少なくとも四人の職人さんが彼らの技術を高めそれを発揮して、私の手元に届いたのだなとじんわり滲みました。
この前原光榮商店さんのおっしゃる当たり前のお仕事が。
私の生活を当たり前以上に、嬉しくしてくれました。