見出し画像

Green Talk 60 : 何をではなくどのように作っているのか - ECOALF

タイムラインで流れてきたこの映像。イングランドの St Charles Catholic Primary Schoolのあるクラスの映像。子供たちが、プラスチックの浮いたプール=汚染された海(想定)を泳ぐ様子です。

学校の先生は気づきを与えるため、とおっしゃっています。子供たちからでる声もそれぞれです。

"生き物が怪我してしまう"
"海に行きたい、泳いでプラスチックを回収したい"
"これ嫌い、生き物が海からいなくなってしまう"

疑似でも今世界に起きていることを”体験する”ことによって、出てくる言葉があるのだとおもいます。また、プラスチックボトルには有名な飲料企業のラベルがついていて。プールの中でそのボトルを見た子たちは、家で同じボトルを見たときに「あ、これって」と思って、家族と一緒に行動にうつすかもしれません。

この動画のまさに題材になったPolluted seas=汚染された海ですが。
その海から回収した大量のペットボトル、使い古した漁網、廃タイヤなどで服を作るブランドが日本に上陸しました。
スペインのECOALF。Allbirdsなどと同じくCertified B Corporationです。

彼らの公式動画には、Upcyclingという文字があります。その物自体の価値が目減りすることなくReuseに近い形で素材を使いより価値や環境に意味のあるものに変えていくことと認識していますが、廃タイヤはサンダルに。漁網はナイロン製品になるそう。


ECOALFは店舗スタート前から、実は、気になっていました。

これが彼らの広告ですが、よく目を凝らしてみると、吉野家、みんな電力、ロックバンド "I Don’t Like Monday”さんなどのポスターの再活用なんです。服と同様に、再活用してその価値を損なわずに本来の目的以上に昇華させているこのポスターがとても気になり、ヨガのクラスの帰りに伺ってみました。

入り口にダウンジャケットとペットボトルと漁網のディスプレイ。入ってすぐにブランドスローガンである "BECAUSE THERE IS NO PLANET B" が掲げられたTシャツやスウェットが本当に多く飾られていて。圧倒されました。

ほぼロゴやメッセージの書かれたものは選ばないので、その中でもシンプルめなブルゾン/ジャケットを選び、試着。襟元の形がユニークなTIMARU というリサイクルナイロンを使ったジャケットを買うことにしました。去年から春夏のアウター中古市場含め、ずっと探していたものです。

見えるところに目立つメッセージはないですが、内側にパイピングで"BECAUSE THERE IS NO PLANET B"と書かれています。また、着るたびに目にする襟元に "Today you are wearting recycled nylon"という文字と、彼らのVisonとMissionが書かれていました。次のとおりです。

Vision : stop using natural resources in a careless way
Mission : create the first generation of recycled products with the same quality and design as at the best non-recycled.

”何を作っているか”=ジャケット、ではなく。
”どのように作っているか”=むやみに自然資源を使わずリサイクルのもので既存の製品と同等の品質とデザインを実現したもの、である。
それが、ブランドとして選ばれる要素であり。洋服にもそういう選択肢が世の中に増えていっていい。そう感じられる言葉だとも思いました。

今、世界的に起きていることの影響で、実は初日に届いていない品物も出てきていました。靴がとても軽く履きやすく。修理も行うということでいいなと思いましたが、サイズが欠けていたりしたのです。
ですが、それを機会損失と捉えるのではなく。在庫を抱える売り方そのものが彼らのスローガンに照らし合わせたときどうなのかとさえ考えてしまいました。あの沢山の"BECAUSE THERE IS NO PLANET B"が、そういう既存のものに、もう1度それで良かったのかと問う機会をくれるのかもしれませんね。

最後に、ECOALFは日本でもupcyclingを始めようとしているそうです。千葉の天羽漁港との提携したりされていますが、去年10月末の時点で、まだまだ協業先探しが必要とのこと。

渋谷にあった広告のように、彼らとパートナーの協働によって、ECOALFの”どのように作るか”が日本でどう実現されるか。
彼らの活動に賛同しつつ、私ができることも行動にできたらと考えています。

そして、今日買ったジャケットを着ている私は、ここまで書いた全部を置いておいても、ただただ嬉しくて、着ていて楽しいのです。