お出しのこと 削り節(主に鰹)編
うね乃さんでのおだしを学ぶワークショップ、続いては削り節について。
鰹節の旨味成分はイノシン酸、昆布はグルタミン酸。
化学的にはそうなんだけれど、では化学調味料で鰹や昆布の味が再現できるかというと大自然はそんなに甘いもんではございません。
鰹節は製造工程の中でカビを付けて、このカビがアミノ酸を分解して旨味に変えてくれる。
カツオブシ麹カビという無毒の働き者。いったいどんな人だろう?カビが付いて旨味が増すのを見つけたのは。
鰹、マグロ、鯖、アジそして鰯。だしがとれるのはみんな青魚だ。
旨味の濃い鰹、淡白なマグロ。蕎麦つゆには鯖やアジ。鰯(煮干し)は味噌汁なんかにも。
マグロ節は京都ではお正月前に良く売れるそうな。お雑煮用だね。
鰹節の有名な産地は主に3つ。静岡焼津、高知土佐清水、鹿児島枕崎。
それぞれに味の違いがあるらしい。
鰹は黒潮に乗って日本列島を北上して行く。同じ群れの魚が加工する土地で味に違いがうまれる。これもまた不思議。
焼津の鰹節は主に関東方面で使用される。枕崎は関西、9割がた京阪神で消費されるとのこと。
ここにもまた関東と関西の味の好みが現れているのが興味深い。
うね乃社長に聞くところ、鰹節として売れるのは近年ほとんど無く大半が削り節だそうだ。
かくいう僕の家にも鰹節削りは無い。
削りたての鰹節の香りは素晴らしく豊かで口にふくむと旨味が広がる。
先人の知恵の結晶のひとつ。鰹節という文化が廃れることが無いよう守り続けていくことが未来への僕たちの責務なんだと考えさせられた一日でした。
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