豆腐屋のひとり言
京都の豆腐が美味しいのは何故か?
僕なりに考えてみよう。
水が良いから?昔はともかく今では違うだろう。
水の良いところなど日本中あちこちに有る。
じゃあ大豆?北海道や九州の大豆が主流です。
にがりは日本の海でとれるもの、どこも同じよう
なもの。
さぁ、困った。京都の豆腐が美味しい理由が無い
じゃないか。
京都に有ってよそに無いものって何だろう?そこ
まで考えて気が付いた。「歴史」だ!
平安京の時代から都であった京都には各地から選
りすぐりの食材が集まり、公家、僧侶、当代一流
の文化人たちの舌を満足させるために京料理が発
展していった。
京料理の発展にともない料理人の求めに応じて食
材加工の技術も磨かれここに京豆腐の原型が誕生
する。高いレベルの要求に応じ続けて京都の豆腐
造りの技術も向上していき淘汰されて美味しい豆
腐屋だけが生き残っていった。
つまり京都の豆腐が美味しいのは千年の歴史に裏
付けられた技術が継承されてきたから。よそには
無い京都にしかないもの、「歴史」が京豆腐を美
味しくしたのだろう。
つらつらと益体もないことを書いてみたものの所
詮は豆腐屋のひとり言。