結局、FXは裁量でやるのが一番楽

 これは、FXは裁量でやるのが一番精神衛生上良いと思った、という話であり、裁量でやるのが最も稼ぎやすいという話ではないのでご了承ください。

 ちなみに、私はトータルで十数万円の負けでやめました。もう二度とやるつもりはありません。禿げます。それと、私はあまり勉強をしていないのでつっこんだ話はできません。もちろんベテランでもないので、多分にイメージが含まれます。一つの考え方として参考程度にどうぞ。

裁量でやることについて

 裁量で、即ち自己判断でエントリー(買い、売り)からイグジット(決済)までやるのが一番楽とありますが、私はこの他に2つの方法でやったことがあります。その前にまずは裁量でやることに関して少し述べようと思います。

 まず、やったことがない人にはイメージがしにくいと思いますが、全く簡単ではありません。やるだけなら、後に紹介する方法の方が圧倒的に楽です。当然ですが、何も考えずにやっていたら運否天賦の博打になります。資金に充分な余裕があって、酔狂でするなら問題ありませんが、基本とはいえません。どの通貨をどのタイミングで何ロット買うのか売るのか、そして、同じ様にどのタイミングで何ロットを決済するのかを、常に考えなくてはならないのです。

 そして、多くの方が誤解しがちな点があります。それは「50%の確率で勝てるでしょ?」という理論です。私も最初はそう思っていました。しかし、それなのにどうして殆どのトレーダーは敗れ去っていくのでしょうか。

 まず、“勝ち”の考え方が違います。たしかに一回一回のトレードを元に、勝率を出したりはしますが、結局はトータルでプラスになっていれば“勝ち”です。極端な話、勝率1%でもプラスになっていれば“勝ち”ですし、勝率99%でもマイナスなら“負け”です。なので、低すぎるのは少々問題ですが、勝率はあてにしすぎない方が健全です。勝率50%~60%あれば充分でしょう。以上を踏まえると、上がるか下がるかというミクロ視点ではなく「プラスを維持できる立ち回り」というマクロ視点が重要なのです。

 しかし、簡単にプラスを維持できたら苦労しません。昨今、FX商材の広告をよく見かけますが、あまりおすすめできません。「誰でも簡単に安定して月○○万」と謳うものや、「再現率100%」といいながら特商法には「効果を保証するものではありません」とあるものはほぼ詐欺ですし、真っ当なものは、結局やることは主に日々の勉強と世界情勢へアンテナを張ることで、簡単ではありません。それでも楽してFXで儲けたいと考えたときに、見つけてしまうのです。

自動売買ツール(EA)について

 自動売買ツールは、よくEAと呼ばれます。アルゴリズムに則って、条件によってエントリー、そしてイグジットを行います。自分で考えなくても、製作者の勝ちパターンが搭載されたEAがタイミングを逃さず取引してくれるわけです。しかし、相場の移り変わりは不安定で、ある程度の傾向はあれど、それはか細い糸でしかありません。一生放置で稼げるEAというのは、おそらくはありません。潤沢な資金で長いスパンで見て、ようやく平均的にプラスになっている程度のものです。定期的に最適化をしてメンテナンスをするのがいいとも聞きますが、それなら自分でやった方がまだ楽しめるのでは、と思ったのです。

 機械的な判断というのは、見返すとわざと負けにいっているように見えてきます。大きく負けたり、含み損が膨らんでいくと、あくまで自己責任故、やり場のないストレスとなります。なにがなんだかよくわからないうちに資金が減っていく感覚は恐ろしいものです。

 よく、情報商材の批評に合わせ、お手製の自動売買ツールをおすすめしてくるサイトがありますが、あれもおすすめしません。理由は概ね先で語った通りですが、実際に運用をしないと効果がわからないというのがあります。

 これは、他の副業系の商材にもいえることですが、実績を公開していることは大前提として、その実績を鵜呑みにしてはいけません。実績といってもあくまでただの画像なため、書き換えられた数字や、宣伝用に用意した都合の良いグラフであることを完全に否定することは不可能だからです。動画であっても同じです。他の情報も合わせて確認し、信用に足ると判断してからの購入することをおすすめします。ちなみに、実績を出していないのは論外です。

コピートレードについて

 次に、EAよりも信頼できそうなコピートレードについてです。コピートレードというのは、他のトレーダーのエントリー、イグジットタイミングをコピーする手法です。コピートレード専用のサイトがあり、そこで気に入ったトレーダーをフォローすることで、コピーが開始されます。利益や人気、勝率などでフォローするトレーダーが選べるわけですが、当然上位の方を選ぶと思います。私もそうしました。ただ、そこには大きな罠がありました。

 罠というのは自分の甘さのことです。稼いでるトレーダーなら安心だろ、という慢心です。機械ではないから機転も利くだろう、と。まあ、うまくいっていたらこんな記事書いていないわけです。

失う時は一瞬

 私が利用していたサイトでは、コピーされるのはタイミングのみで、取引するロット数(金額のようなもの)は自分で決められます。ネタバレすると私の場合、敗因は調子に乗ったことでした。初めてフォローしたトレーダーが、あり得ないくらい勝っていたのです。最初は10万円程しかなかった資金が一日数万円ずつ増えていったのです。その度、そのサイトで提示されていた「推奨ロット数」を無視して高額に設定し、最終的に2週間で50万円のプラスとなりました。

 とんとん拍子で増える資金を見ながら、「やめる」という選択があるはずもなく、突如として事件が起きました。60万円あった資金が一晩にしてなくなったのです。人によっては全然大したことない額だと思いますが、当時生活費がかかってる中での消失だったので、実質は10万円の損とはいえ、あまりのショックでその日のバイトを休みました。

 当時、人気トップを理由にフォローしたそのトレーダーの過去の取引を見ると、どうやら常勝していたのはたまたま私がフォローしていた時期だけで、トレード開始からの全期間のトータルでは大きなマイナスだったのです。

懲りなかった先に見たもの

 しかし、初めてで甘い蜜を吸ってしまった私は、その幻想を忘れられず深追いし、さらにそこから数万円を溶かしました。

 繰り返すロスカットを眺めてようやく悟りました。コピートレードでフォローしたトレーダーと同じ結果を得るには、トレーダー以上の資金を持っている必要があることを。また、どれだけランキング上位のトレーダーでも普通に負けることを。

 コピートレードは、充分な資金とそれを人に任せられるだけの胆力が必要です。例えば、イグジットタイミングが不安になって張り付くようなら、もう自分でやった方がいいですよね。

FXで大事なこと

 そんなこんなで、FXは裁量でやるのが最も精神的に楽だと思いました。裁量は裁量なりにストレスはありますが、全て自分のミスで済みます。勝手に減っていく資金にやきもきするのはもう絶対にイヤです。

 最後に、FXで最も大事なものは平常心です。プロスペクト理論や大衆心理など小難しいことも勉強しないといけませんが、まずはメンタル面を鍛えた方が良いでしょう。焦ったり調子に乗ることは破滅へと直結します。間違っても、“負け”=破産という運用はしてはいけません。最悪無くなっても問題のない資金で取引を行ってください。そうでないと、禿げます。

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