コミュニティですごいヤツがいると萎えるって話

 まずはじめに、この話にはタイトルでわかる以上の内容はありません。また、私のような後向きな人間しか当てはまらないでしょう。それを踏まえてご覧ください。

情報商材でよくある"コミュニティ"とは?

 私はいくつものビジネス系の情報商材に手を出し、大した努力もせずに全て挫折しました。

 情報商材には、コミュニティが存在するものがあります。運営のサポートや、その商材を購入した人同士の交流が主な機能です。ちなみに、コミュニティがある商材は軒並み高額です(俗に高額塾)。20万円以上はザラです。

 当然、コミュニティというシステムにはメリットがあります。それは挫折の予防です。

 いくらサポートがあるとはいえ、作業は孤独との戦いです。やっていることが本当に正しいのか見失いかけ、サポートに問い合わせても返事に数日要するのはザラ、そんな中で続けるのは困難でしょう。

 そこで、志しを同じくする者同士、躓けば助け合ったり、誰かが成果をあげれば喜び合ったり、みんなが頑張っているから自分も、と奮起したり――。要は“仲間”がいれば継続しやすいよね?という目論見です。質問に答えてくれる“仲間”がいるのでサポートの負荷軽減にも繋がります。

 ただ、私はこのシステムが嫌いです。

コミュニティの罠

 私がコミュニティを利用して成功するとしたら、それは既にある程度うまくいっていて、他の人に助言ができるレベルまで到達している時です。

 経験上、何の不足もない商材というのはおそらく存在しません。必ずぶつかる壁が随所にあります。その殆どは"慣れ"で解決するものでしょう。ただしそうでないもの、例えばイレギュラーなもの、内容が古い故のもの、単純に商材の説明不足など、商材のマニュアルだけでは解決できない問題も確実に起こります。

 コミュニティというのは社交場です。好き勝手に発言していい場ではありません。和気藹々と"仲間"と高め合う神聖な学び舎であるため、弱音や水を差す行為、ネガティブな発言は当然ながら喜ばれません。反感を買うこともあり、最悪コミュニティから強制退会もあり得ます。果たして、幾度重なる障害に遭っても前向きな姿勢を維持できるでしょうか。商材やコミュニティに愚痴や文句の一つも言いたくなる時もあるでしょう。もうやりたくないと誰かに相談したい時もあるでしょう。でも我慢しなければなりません。ここはそういう場所なのです。

 なぜ、悲観的な人間が歓迎されないのか。普段でもそのような人はあまり好まれないと思いますが、マインド的な観点もあります。

 「ミラー・ニューロン」をご存じでしょうか。あまり詳しくは知らないので簡単にいうと、他者の行動を見ることで、自分が同じ行動をしたかのように感じることです。コミュニティの目的は実はもう一つあり、成功者や、やる気溢れる人と一緒にいることで、自分のポテンシャルを発揮することに期待しているのです。つまりその逆、その意にそぐわない発言をする人は、周りに悪影響を与えかねない危険分子となってしまうのです。本当にただただ苦しい時に、その挫けそうな思いを吐き出せないなんて、コミュニティとは、"仲間"とはなんなのでしょう。

必ず一人はいる"すごいヤツ"

 これは、私がトレンドアフィリエイトの商材を購入した時の話です。(トレンドアフィリエイトについては、特に重要でないので説明しません)

 それは、1日2時間の作業を続けることで、4ヶ月で月30万円の収入が見込めるとのことでした。記事の添削サポートやコミュニティへの加入もあり、参加費用は30万円程でした。(私は少し特殊な加入だったため、コミュニティ内の発言権はありませんでした)

 問題はすぐに起こりました。コミュニティ内に1人、凄まじい作業量をこなす人がいたのです。彼は2ヶ月目には早くも月10万円を達成、3ヶ月目には目標の30万円に到達し、4ヶ月目には50万円を超すなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。

 そして彼は、コンサルタントでもある商材の販売者に大絶賛され、「ビジネス初心者が大成功した例」のモデルとして、その経緯を紹介した記事が販売者のサイトで投稿されたのです。先程の数字はうろ覚えなので、記事とは全然違うかもしれませんが、ただ、読んでも虫唾が走るだけなので確認したくありません。記事の添削サポートをフルに活用し、教わったノウハウだけでなく、別のネタ元もうまく取り入れ、休日には一日中作業に没頭するなど、まさに理想的な人だったと記憶しています。

彼を見て思ったこと

 しかし私は、彼の功績を見て「自分も頑張ろう!」とは全く思いませんでした。「初心者でもできた」といえば聞こえはいいですが、そもそもビジネスにおいて“初心者”という概念は基本的にありません。経験の差はあれど、お金をもらって運用しているなら皆プロだからです。そういう意味では、初報酬を得るまでは初心者といえるかもしれませんが、それ程単純ではありません。

 その彼について、コミュニティで見た情報としては、過去に他の副業をやっていたらしかったです。そこでどれだけの成果をあげたかはわかりませんが、これ程の結果を出しているのだから、それなりに上手くやっていたのでは、と容易に想像できます。

 つまるところ、過去の経験を活かせるか、そして熱量を持って作業を継続できるかが肝要なのであって、副業において初心者であるかは全く関係ないのです。

 それを察した私は、これは自分には無理だと思ってしまったのです。真似をしようとしてできるなら苦労はしないからです。むしろ、こんな放っておいても成功しそうな人間を「成功した初心者の例」として出して欲しくないな、とも思いました。有能で超好成績な社員の年収を、年収例として紹介している求人票の様です。私からしたら優良誤認とすら思います。

コミュニティに向く人向かない人

 とはいえ、ただ単に私の僻みであるといわれても否定はできません。このような、能力が上の人間を見ても奮起するどころか、劣等感に直結してしまうのですから。だからこそ、初心者かどうかは関係がないといえるのです。

 実は私も当初は真面目に作業をしていました。その話はまた別の記事でしようかと思います。

※2020/11/25 追記。当記事のエピソード以外に特筆することがないことに気付いたので記事にするのはやめました。
※2020/12/21 追記。以下の記事で少しだけ触れているのでよろしければどうぞ。

 コミュニケーションに抵抗がなく、コンサルタントからのフィードバックで落ち込まず、同期の成功者を見てもモチベーションが上がる人であれば、コミュニティはとても良い環境でしょう。

 まあ、そんな人は殆どいないと思いますが。

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