バイアスと付き合いつつ、無駄は無くす
最近、稲庭うどんさんやういんくさんの記事を拝見して、競馬における振り返りがどれだけ大事か、また、振り返ることそのものも楽しいよな〜とか思いながら改めて競馬の面白さを噛み締めているところです。
そのような中、
・後悔しないためにも反省が必要
・時間という有限リソースを有意義に使って予想や反省を
・思い入れのある馬の取り扱い方というか、バイアスの捌き方
といったことについて貴重な学びや気付きを得ながら、その後いい年こいてウマ娘のアンソロジーコミックなんかを読んでいたところ、キングさんがカワカミさんに対してまさに同じようなことを言っていました。
そう、何のために反省するかと言えば、未来の自分のため。
競馬におけるその第一義は「馬券を的中させるため」で、お金という大切な有限リソースを無駄に浪費しないためであることは言を待ちません。
あと、馬券を買うまでのプロセス(予想)にもそれなりの時間を費やしていますので、如何に後悔の無いお金や時間の費やし方/過ごし方を行ってきたのかをレビューすることは未来の自分のためにはすごく重要だと、このコミックからも改めて気付かされました。
ということで、今後後悔なきよう反省を強化しているところですが、その中でやっぱり自分にとって最も大きな課題かなと思ったのが、同じくそのコミックでタキオンさんが言っていたこと。
無意識というかもはや意識的に都合の良い情報ばかり集めている気もするのですが(汗;)、個人的には馬でも騎手でも調教師でも馬主でも、何かしらに対する思い入れが無いと競馬はつまらないですし、その意味で確証バイアスは完全に排除できないと言えます。
と言うか、完全な排除なんかしなくてもいいじゃないかというのが一つの結論というか、自分の競馬における方針。まずはここのブレを無くすだけでも気持ち的に相当ラクになりますので、ここはそのように固めたいな、と。
それでは、そのバイアスとは如何にうまく付き合えているのか、そして後悔の有無は?といったところで一つ振り返ってみることにしました。
2022年11月27日(日) 第42回ジャパンカップ
バイアス① リッジマン
ワタシは何せ地方競馬が好きで、常に地方所属馬による中央所属馬の打倒劇を見たいと思っていますので、心情的に応援したかったのが岩手から参戦のリッジマン。過去にステイヤーズSを勝っていますし、有馬記念や天皇賞・春にも出走したことのある馬。
しかし、もうすでに9歳ですし、盛岡での近三走(いずれも芝)ですら勝ち負けになっておらず、2020年第40回に出走したヨシオよりはマシでしょうが、さすがに複勝さえも買える材料は見当たりません。
あと、根本的に別にこの馬自体は推しでも何でもなくあくまでも地方所属ということでのバイアスというかシンパシーにつき、それに対して時間と金をかける必要は無いかと思い、切りました。以前のワタシなら複勝100円ぐらい買っていたかも知れません。そして、案の定結果は最下位でしたので、まぁここは極めて妥当な判断です。
バイアス② デアリングタクト
第40回(2020年)ジャパンカップで彼女がみせた、魂の走りでの3着確保にすっかり脳を焼かれた馬。エピファネイア産駒の早熟説なども見かけますが、今年5月に戦線復帰してからの4戦はそれなりに力のあるところを見せており、まだ「早熟馬の燃え尽き」には見えなかったこと、あとは単勝5番人気13.0倍と配当的妙味もあるということを考えて、単勝1000円。
ここが純粋な応援・記念馬券ということであれば100円しか買わないようにしていますが、今回は思い入れを込めながらも1000円投入の真っ当な勝負馬券。結果は4着でしたが上がり最速タイでしたし、鞍上曰く「あと30mあれば・・・」と言わしめた走り。これは外れたけれどある意味会心の、悔い無く楽しめた馬券でした。
バイアス③ グランドグローリー
久しぶりに多くの外国調教馬の参戦が見込まれたことや、直前まで凱旋門賞優勝馬・アルピニスタの参戦も予定されていたので、「今年は外国調教馬が絡む。いや、絡んだ方が面白いし配当的にも妙味」というバイアスがまずは発生。
オネスト・テュネス・シムカミルの3歳馬たちがまだ見せていないであろう能力にも期待されましたが、冷静に考えて彼女はプリンスオブウェールズSでシャフリヤールに先着(3着)、そして凱旋門賞ではタイトルホルダー・ドゥデュースに先着(5着)と、日本調教馬との間で力の差を測る確かな物差しがありました。馬場適性については昨年度の5着馬(上がりタイム2位)に対して「無し」とは言えないでしょう。
正直勝ち負けもあるかもとは思ったのですが14番人気ということで、まぁここは普通に考えて3着候補。ということで複勝1000円にしたのですが、結果は上がり3位の末脚で勝ち馬から0.6秒差の6着。去年より着差を縮めて走破時計も1.2秒短縮していますので、ここも外れたものの悔い無き馬券でした。
フラットにしたつもりの三連単
以上のような感じで、バイアス/思い入れ系の単複2000円を買いましたが、だいたいG1レースの予算は5000円ぐらいと決めているので、残りはフラットに予想して3連単で勝負しようと思いました。
まず真っ先に、ダノンベルーガは2000mまでというイメージであったので切り捨て。あとは外国調教馬の中でオネストとシムカミルは「少頭数のG1/G2を一つ勝っただけ」ということで彼らも切り捨て。
そうなると有力牡馬はシャフリヤール、ヴェラアズール、ヴェルトライゼンデあたりとみましたが、シャフリヤールは海外G1も制した日本ダービー馬ということで拭っても拭いきれない「日本総大将」感。ここを勝てばボーナス込みの約7億円をゲットなので陣営の仕上げ度合いも半端無いだろうとの見立てもあり、3連単の頭に。
軸が決まったので買い方は自然と1頭軸6頭流しの100円×30点という発想になりましたが、いま思えばここでもう少し深く考える必要があったと思います。
と言うのも、まぁデアリングタクトとグランドグローリーをヒモに入れるのは良いとしても、余計だったと思われるのはテュネスとユーバーレーベン。
テュネスは凱旋門賞馬トルカータータッソの弟であり、底知れぬ5連勝中で勢いもありましたが、それよりも「W杯サッカーで日本がドイツ相手に勝った訳だし」という、言わば東スポ・大スポあたりが得意としそうな訳分からん「サイン馬券」の形が強く、ユーバーレーベンも「父ゴールドシップだから何をやってくるのか分からん」というロジカルではない根拠と共に馬名がドイツ語で「生き残る」なので、これも明らかにサイン馬券。
あと、いま思えばテュネスも5頭立てのG1を一つ勝っただけなんですよね。
さらに極め付けは、その三連単30点買いを行った後に何を思ったのか牝馬3頭のお姫様ボックス100円×6点を買い足してしまったこと。いずれの組み合わせも200万馬券でしたので買った後にSNSで「これを当てて確定申告や!」などとほざいていたのですが、今はそんな自分を引っ叩いてやりたいです。
ということで結局3連単は合計3600円の購入だったのですが、よく考えると軸シャフリヤールからヴェラアズール、ヴェルトライゼンデ、デアリングタクト、グランドグローリーへの三連単4頭流しマルチでも36点買い。
いつも平場は1レース予算1000円でやっているのでマルチ買いなんて縁遠いのですが、G1のように予算のある時は36点買いや48点買いなども選択肢として考えておくべき状況。しかも中央競馬の3連単は36点や48点を買ってもガミることは少なく(しかも1番人気の1着軸が2,3着になればますますガミらない)、今回の三連単の配当は98.5倍と十分なリターン。このあたり、後悔はしていませんがより良い買い方を磨いていくべく反省すべき点かなと思います。
以上より今回のジャパンカップは、
・バイアスはあったけどそれなりにうまく付き合えたのではないか
・ただし馬券の買い方はさらなる精進が必要
・サイン馬券やお姫様ボックスってのはバイアス以前のただの調子乗り
というのが振り返りのまとめといったところでしょうか。と言うか、いまこうして振り返ること自体もやはり楽しいなと感じた次第。
この記事は週初めから今日まで毎日ちょっとずつ書いてきたのですが、その間、あの好レースを何度も思い返すことができましたので、まさに一粒で何度もおいしい作業かつ有意義な時間の過ごし方を行うことができたかと。
今後、たま~にですが振り返りを記事化していければと思いますので、引き続き宜しくお願いします。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。