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韓国競馬開催トピックス_2024年9月1週(コリアカップ&スプリント開催週/第101号)

9月第1週のトピックスです。

  • 筆者が現地観戦した日曜日のソウル競馬場では第7回コリアカップ・スプリントが開催され、横山武史騎手騎乗のクラウンプライドと川田将雅騎手騎乗のリメイクがそれぞれ優勝し共に2連覇を果たしました。

  • 昨年もそうでしたがコリアスプリントの売上は35.3億ウォン、コリアカップは35.7億ウォンと特段多いものではなく(むしろ少ない方)、その日の最終(ソウル9R)が47.3億ウォンと好売上を記録しました。

  • 土曜日・ソウルで行われたHKJCトロフィー(RT80以下、クラス2)では父フェデラリストのGANGNAMBULCHUNGGAK(牡3)が勝ちました。同馬は昨年の三冠牝馬JEULGEOUNYEOJEONG(牝4)の半弟です。

  • そのHKJCトロフィーの一つ前には済州特別自治道知事杯G3が行われ、近2走の大敗で2番人気に甘んじていたJEULGEOUNYEOJEONGがアラン・ムンロ騎手を背に2着馬に5馬身差をつけて圧勝しました。ムンロ騎手は4年ぶりに2つめの韓国グレード競走制覇です。

  • 国際競走ウィークとして各国競馬統括機関の冠競走が行われ、土曜日ソウルのJRAトロフィーではJRAの清水理事ご夫妻が表彰式でのプレゼンターを務められました。

  • コリアカップ・コリアスプリントにつきましてはHAN Daesooさん(GSP)より素敵な写真のご恵贈並びにその使用許可を頂きました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

【本記事のピックアップ対象】
① 父日本調教馬産駒の成績(新馬・未勝利戦とクラス3以上)
 *テスタマッタ産駒、フェデラリスト産駒
 ※産駒数が多いので対象を絞っていますが、下記②との同走や④⑤に該当する場合は対象とすることがあります。
② 父日本調教馬産駒の成績(可能な限り全レース)
 アドマイヤドン産駒、イングランディーレ産駒、*エアシェイディ産駒、
 *クリソライト産駒、サダムパテック産駒、ビワシンセイキ産駒、
 マイネルセレクト産駒、リミットレスビッド産駒 等
③ 重賞・リステッド競走の結果(済州も含む)
④ JRA/NAR所属騎手の期間限定免許騎乗成績
これら騎手の勝利レースには動画リンクを付します。
 (但し①②と重複する場合は省略します)
⑤ その他特に目についたもの
 母日本調教馬産駒、韓国調教馬の海外遠征など

*Korea Studbook (韓国語)(英語) 上で「最終用途: 繁殖用」
(=即ち「供用中」)となっている種牡馬(2024/09/08現在)

売上・配当関連

2024年最高配当(記録更新無し)

単勝 107.6倍(3月1日 釜山慶南1R C6一般 ⑪)
 複勝 35.4倍(1月20日 ソウル4R C4一般 ⑦)
 馬連 1,143.7倍(8月3日 ソウル3R C6一般 ③-⑨)
 馬単 2,085.2倍(8月3日 ソウル3R C6一般 ③→⑨)
 ワイド 242.9倍(6月22日 ソウル3R C6一般 ⑧-⑩) 
 三連複 5,660.8倍(1月20日 ソウル4R C4一般 ⑦-⑧-⑪)
 三連単 36,602.4倍(3月1日 釜山慶南1R C6一般 ⑪→⑩→④)

2024年最高売上レース(記録更新無し)

1位 50億8,107万5,400ウォン(8月4日 ソウル14R クラス1一般)
 2位 50億5,971万7,200ウォン(6月30日 ソウル8R クラス1一般)
 3位 49億8,318万9,000ウォン(7月28日 ソウル14R クラス1一般)


以下、詳細な競走成績および動画は下記リンク先(英語)よりご覧ください。


2024年9月6日(金)

釜山慶南2R クラス6 一般 1200m 11頭

2着 ①블랙웨이브 (BLACK WAVE)(牝3、父フェデラリスト
7着 ③파인블루 (PINE BLUE)(騸3、父フェデラリスト 母父サクラシーキング
9着 ②탐라슈퍼 (TAMNA SUPER)(牡2、父テスタマッタ
11着 ⑩파이트퀸 (FIGHT QUEEN)(牝3、父クリソライト

■上田将司騎手:6鞍騎乗/0-0-0-6(今年通算12-20-20-184)

釜山慶南1R C6 : 8着 ②서귀프린세스 (SEOGWI PRINCESS)
釜山慶南4R C5 : 4着 ⑥승리깃발 (SEUNGNI GITBAL)
釜山慶南5R C5 : 4着 ②언제나영웅 (EONJENA YEONGUNG)
釜山慶南6R C4 : 7着 ⑦비케이워리어 (B.K. WARRIOR)
釜山慶南7R C4 : 4着 ③아무르 (AMUR)
釜山慶南8R C3 : 9着 ⑥로켓소리 (ROCKET SORI)


2024年9月7日(土)

ソウル1R GCトロフィー(RT80以下OP) 1700m 12頭

7着 ⑩옐로우캣 (YELLOW CAT)(牝6、父INDIE BAND 母父ビワシンセイキ
11着 ⑦바람의검 (BARAMUI GEOM)(牡4、父フェデラリスト

ソウル3R SLTCトロフィー(RT80以下OP) 1400m 11頭

3着 ⑪슈퍼피니시 (SUPER FINISH)(牡4、父フェデラリスト
6着 ⑦스피드원 (SPEED ONE)(牡3、父テスタマッタ

ソウル4R JRAトロフィー(RT90以下OP) 1800m 14頭

1着 ⑬컴플리트레벨 (COMPLETE LEVEL)(牡4、父TAKE CHARGE INDY)
6着 ④마이센터 (MY CENTER)(牡3、父クリソライト
13着 ⑧울트라갤럭시 (ULTRA GALAXY)(牡4、父フェデラリスト

この週は国際競走ウィークということで各国競馬統括機関の冠競走が行われましたが、その中で唯一のクラス1・RT90以下という最も高い出走資格で行われたのがJRAトロフィーでした。5番人気⑬COMPLETE LEVELが逃げ切って優勝し、表彰式ではJRAの清水靖博理事ご夫妻がプレゼンターを務められました。

JRA 70周年ロゴ入りのターフィーくんもしっかりと

ソウル5R 済州特別自治道知事杯G3 3歳以上国産牝 1400m 16頭

1着 ⑫즐거운여정 (JEULGEOUNYEOJEONG)(牝4、父COLORS FLYING)
2着 ⑧원더풀슬루 (WONDERFUL SLEW)(牝4、父PURGE)
3着 ②글로벌태양 (GLOBAL TAEYANG)(牝3、父J. S. CHOICE)

昨年の三冠牝馬⑫JEULGEOUNYEOJEONGが近2走の大敗により1番人気を同期でライバルの⑧WONDERFUL SLEWに奪われた中、今年の牝馬クラシック二冠馬⑬ECLIPSE BERRY(牝3)がハナを切るところを落ち着いて5番手先行で追走し、直線に向いてからはクラシック時の勢いそのままにライバル⑧を寄せ付けず、5馬身差での圧勝劇を見せました。

ちなみに主戦ソ・スンウン騎手がケガで騎乗できない中、代打で結果を出したのはJRA短期騎乗免許の魁でありホッカイセレスやサンデーサイザンス、ダビスタ96でおなじみのアラン・ムンロ騎手でした。

表彰式後の口取り写真(筆者撮影、以下同)

ソウル6R HKJCトロフィー(RT65以下OP) 1200m 14頭

1着 ⑦강남불청객 (GANGNAMBULCHUNGGAK)(牡3、父フェデラリスト)

直前のレースで三冠牝馬JEULGEOUNYEOJEONGが復活勝利の余韻冷めやらぬ中、このレースで勝ったのはクラス3から格上挑戦の半弟(父フェデラリスト)GANGNAMBULCHUNGGAKでした。これで同馬は8戦5勝2着2回の戦績でクラス2昇級となり、今後の動向にますます注目です。

ソウル8R 文化日報杯L 2歳牡牝 1200m 11頭

3着 ⑦원더풀노던 (WONDERFUL NORTHERN)(牡2、父NEW LEGEND 母ロンダドール


2024年9月8日(日)

ソウル6R コリアスプリントG1/IG3 3歳以上 1200m 16頭

締切4分前まで単勝1.0倍、締切直前でようやく1.2倍となった圧倒的人気⑦リメイクが、先行する⑧ジャスパークローネと⑪ANARCHISTに5馬身以上の差を付けられて迎えた直線、一瞬もしやと思わされましたがそれは杞憂に終わり、残り300mを切ってからの加速度がケタ違いでした。上り3F 34.7秒の末脚でジャスパークローネを差し切り、見事にコリアスプリント初の連覇馬となりました。

韓国勢では2022年10月のデビュー戦2着以来二度目の1200m戦となる⑨스피드영 (SPEED YOUNG)(牡4、父MENIFEE 母タペストリー)が大将格に応えて最先着、以降7着までを3~4歳馬が占め、これまで短距離界を引っ張ってきた⑥어마어마 (EOMA EOMA)や⑩벌마의스타 (BEOLMAUI STAR)、⑧모르피스 (MORFHIS)との世代交代を感じさせられるレースとなりました。

リメイクと川田騎手
ジャスパークローネと団野騎手
ANARCHISTとエドウィン・マルドナド騎手
GANGSEO GIANTとアラン・ムンロ騎手
【撮影: HAN Daesooさん(GSP)より使用許可済】
表彰式の様子
リメイクは表彰式の間、とてもおとなしくしていました

あと、レース後の各騎手・関係者インタビューはこちらです。
(1着川田騎手、2着団野騎手、3着マルドナド騎手、4着キム・ヘソン騎手、4着パン・ドンソク調教師の順)

ソウル7R コリアカップG1/IG3 3歳以上 1800m 11頭

国際グレード競走未勝利とはいえ川田騎手騎乗でGI二着二回、ドバイWC四着でJpn3三勝の⑧ウィルソンテソーロが単勝1倍台の1番人気となり、昨年覇者⑪クラウンプライドが2番人気に甘んじたこのレース、大外からやや掛かり気味にハナを切りながらも上がり3Fを最速37.4秒で駆け抜け他馬を寄せ付けなかったクラウンプライドが同厩リメイクに続きこちらも連覇を果たしました。

韓国勢では2023年コリアンダービー馬②글로벌히트 (GLOBAL HIT)(牡4、父TO HONOR AND SERVE)が韓国総大将格に応えて④ライトウォーリアに先着・敢闘しましたが、2021年コリアンダービー馬で2022年コリアカップ優勝、2023年同3着の①위너스맨 (WINNER'S MAN)は最後に大失速し10着。そして2023年コリアカップ4着で同年オーナーズカップKG3優勝、ブルーブックにて2023年チャンピオンマイラーの⑤석세스마초 (SUCCESS MACHO)は向正面で左前脚靱帯断裂を発症し予後不良となりました。

追悼:SUCCESS MACHO号(当日パドックにて)
クラウンプライドと横山武史騎手
ライトウォーリアと吉原騎手
ウィルソンテソーロと川田騎手
【撮影: HAN Daesooさん(GSP)より使用許可済】
表彰式の様子
クラウンプライドもレース後は落ち着いていました。
【撮影: HAN Daesooさん(GSP)より使用許可済】

レース後の各騎手・関係者インタビューはこちらです。
(1着横山武史騎手、3着キム・ヘソン騎手、3着パン・ドンソク調教師、4着吉原騎手、第1回優勝騎手・藤井勘一郎さんの順)

釜山慶南7R クラス1 一般 1400m 12頭

4着 ①미라클드리밍 (MIRACLE DREAMING)(騸7、父フェデラリスト

ソウル9R クラス3 一般 1400m 11頭

9着 ①머니장군 (MONEY JANGGUN)(牡4、父エアシェイディ

■上田将司騎手:5鞍騎乗/0-0-1-4(今年通算12-20-21-188)

釜山慶南1R C6 : 7着 ⑦블랙스콜 (BLACK SQUALL)
釜山慶南4R C6 : 10着 ⑨일념천하 (ILNYEOM CHEONHA)
釜山慶南5R C3 : 5着 ⑦러프트레이서 (ROUGH TRACER)
釜山慶南6R OP : 7着 ⑥비케이드림 (B.K DREAM)
釜山慶南7R C1 : 3着 ⑩대암장군 (DAEAM JANGGUN)


来月の主要競走

10月13日(日)大統領杯G1(3歳以上国産、ソウル2000m)

10月20日(日)慶尚南道知事杯G3(3歳以上国産牝、釜山慶南2000m)


2024年大賞競走優勝馬

2024年グレード・リステッド競走体系・優勝馬
2024年グレード競走・優勝馬一覧

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