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「外国語上達法」千野栄一著(東大教授言語学者)に書いてある彼自身受けてきた授業の中で一番得たものが多かったと言わしめた授業内容

 東大名誉教授でチェコ語を始めスラブ語系の専門家で言語学者の千野栄一さんが「外国語上達法」で実は、「いい教師」の項に「一年たってこの授業で得たものが一番多かった」と言わしめた授業内容が書いてある。(授業自体は3年間受けている)
 数年後、東欧で乗っている列車が、その言葉を使う土地に入った途端にアナウンスが聞き取れるようになり心のなかでその先生にお礼を言ったというエピソード付きだ。

彼は東京外大から東京大学大学院、そして東欧留学をして、いろんな言語のいろんな先生の授業を受けて、自分もエクスプレスチェコ語などテキストも書き、教壇にも立ったうえで、人生で一番得たものが多かったという授業内容だ。

 その授業内容を端的に言えば、留学先で受けた授業で、


チェコ語(母語)でクロアチア語(外国語)を学ぶ授業。
 1少数の新出文法項目の手短かな説明から始まる。
 2新出語彙20語前後の紹介がなされる。
 3その語彙を覚えるための短文を繰返し学習。
 4覚えたら新出文法項目が入った翻訳演習。それは外国語への翻訳であり、授業のメインは外国語への翻訳が圧倒的大部分。
 5学生に答えさせる時つっかえたら専用ノートにその語を記入させて次回以降の授業でその語を作った翻訳をさせて覚えさせる。

それがこれだ。

当著書レビュー2で、彼の恩師が言った「覚えなければならないものはたったの二つ。語彙と文法」を紹介したが、
まず、ごく少数の文法項目を紹介したあと、本題の語彙の紹介。それは20前後だけで、それを使った短文を繰り返し学習させて覚えさせていく。
そして新出語彙に紹介した文法項目を織り交ぜた作文演習。英語で言えば英作文の演習。英語の和文翻訳(和訳)ではなく英作文がメイン。で、生徒にさせて、つっかえたら生徒にそれを記入させて次回以降それを繰り返し覚えさせる。

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