自然の力でコケを制す!なるべく手を抜くことこそ、上手な水槽管理。
すべてのアクアリストが一度は直面する、コケ問題。
例に漏れず、私もコケ対策に頭を悩ませた一人。水槽を立ち上げて初めてコケに遭遇した時に私が感じたのは、美観を損ねるということでした。
まず、私の水槽管理のモットーは自然第一主義。飼い主は決まった量の給餌と定期的な水足し・水替え、必要添加剤の投与のみで、あとは自然の力で水質管理をしていく感じ。
自然の力を有効に機能させるには、生体同士にある食物連鎖を多く盛り込み、水槽全体で一つのチームとして機能させることです。
例)
●サンゴ→珊瑚の粘液を食べる微生物→イソギンチャクモエビ、マンダリン
⇒サンゴの窒息防止補助(特にSPS)、安定した光合成
●ナンヨウハギの糞→バクテリアが分解・増殖→ミズタマハゼなどの底層生物の餌
⇒糞の一部を食物連鎖に組み込む、底砂のコケ予防
●白点病(虫)→ホワイトソックスが食べる
⇒魚とエビの共生関係。寄生虫予防
●増えすぎた石灰藻→ウニが定期的に食べて一部除去
⇒ライブロックに住む微生物の窒息防止(石灰藻の付き過ぎはコケに覆われているようなもの)、増えては減っての繰り返し
●硝酸・リン酸塩除去→二枚貝(シャコガイ)や外掛けリフジウムで栄養源として活用
⇒生物ろ過の補助。リフジウムでは酸素供給効果も
要は、一つ一つの簡単で小さな関係性を数多く入れて水槽全体を一つのチームとして機能させるということです。
自然は競合社会なので、環境に多少変動があるのは当然のことです。大事なのは、環境を急変させないこと。生態系バランスを保つこと。その秘訣は、生体に悪影響なマイナス要素とそれを取り除くプラス要素を混在させることです。
硝酸塩やリン酸塩などの栄養塩や魚の糞、寄生虫などマイナス要素を「なくす」のではなく、常にマイナスとプラスが「綱引き状態」の強い水を作ってしまえば良いのです。
マイナス要素のベクトルをゼロにしてしまえば、環境は結果的にプラスに働きますが…
私は、この一見合理的にみえる考え方が生体の免疫力低下や水槽の水質の不安定さを生み出す可能性があると考えています。
実際、アクアショップの店員の方に聞いた話だと、硝酸塩がゼロの環境がサンゴの調子を崩す要因にもなるようで、ミドリイシでも1.5ppm程度の硝酸塩があった方がいいとのことでしたから。
(八重山産でもOG産でも同じなのかどうかは聞き忘れましたけど。まあ参考までに、うちの水槽ではフラグミドリイシは産地に関係なく元気にしていますよ。)
では、ここでコケの話に戻ります。
自然界でも当然苔は存在します。増えれば水槽の美観を大きく低下させてしまいますね。
ここで、「ハイ、除去!」と毛嫌いせずにまず、自然のパロメーターとして苔の状態を観察します。
除去しても状況がまた生えてくるのが苔の嫌なところ。本質的な対策をしないと、掃除ばかりで面倒だし除去した苔が環境を急変させる恐れもあります(コケ掃除の後、アカシマモエビが死んだ経験あり)
だから、掃除の回数も減らすのも生体の長期飼育には賢明かと。
基本的に苔は栄養塩の多い水槽や強い光、水流が強い環境に発生しやすいので、これらの対策をしていきます。
ここからは、私が普段やっている対策を紹介します。栄養塩とカルシウムの検査キットと(安価な)プロテインスキマーは必須です。
・コケを減らすには
①レッドシーのNO3PO4‐Xを規定量添加する(過剰添加NG)
(多く添加すると化学反応で水槽内にCO2が増えて魚が酸欠を起こす可能性あり。プロテインスキマーが必要。安価なエアリフト式でも効果あり)
②KH添加材に含まれる重炭酸カルシウム(重曹)で栄養塩を除去
(硝酸塩が劇的に減ることは確認できていますが、現在実験2カ月目のため、副作用等の影響がまだわかりません。参考にされる方は自己責任でお願いします。)
化学式にすると
→No3+NaHCO3→H20+CO2+NaNo3(?)
となります。
硝酸塩と重曹が化学反応を起こすと炭酸水が生成されて一時的にPHの低下が起こります。私の水槽では予防としてカミハタの秘密兵器「コーラルアップA(カルシウム)」を「コーラルアップB(KH調整剤)」と1:2の割合で同時に添加することで、PH低下を防いでいます。カルシウムはアルカリ性の為、PHを上げる効果があります。
添加量は、カルシウム検査キットを使ってSPS水槽に必要なカルシウム量に合わせています。説明書通り、重曹(KH添加材)はカルシウムの2倍添加して適正値を保っています。
尚、CO2発生に伴う魚の酸欠予防として、エアレーションは常時水槽内でかけるようにしていて、今のところ問題はありません。
まず第一に、水槽内の栄養塩の量は測定しましょう!
硝酸塩たっぷりの水槽は急激な化学変化が予想されるので、硝酸塩4ppm以上ある水槽の場合、重曹の添加は少量から。4~5ppmになったら、添加したカルシウム値に合わせて重曹を入れます。
③べっぴん珊瑚の土壌バクテリア投入(コケが減る、サンゴの調子が良くなる等、他の効果も確認済)
残念ながら私の水槽では試験薬を通して栄養塩の減少は見られませんでしたが、なぜか苔はみるみる減っていく、不思議なバクテリアです。写真撮っておけばよかった、、、
具体的にどんな効果が得られたかというと
・外掛けろ過機の吐出口(滝の部分)の苔が下から消えていき、ある程度まで減った
・外掛けリフジウムの吐出口の苔も下から消えて、ある程度まで減った
・ツツウミズタの芽が急に一斉に生えてきた
・ツツマルハナサンゴのポリプの開きがすごく良くなった。(過去一レベルで)
・スキマーの汚水カップが真っ黒(汚れがとれた)
・それに伴って水の透明度が良くなった
写真は撮っていませんが、これらは効果が認められた時にノートで記録した物をそのまま書き起こした物です。(日々のデータをノートに記録するのは非常に有効ですよ)
④コケ取り生体の投入
メジャーなやり方ですが、生体によって得意とする苔の種類が異なるので、紹介しておきます。
・フシウデサンゴモエビ、エメラルドグリーンクラブ、ヤエヤマギンポ
→主にヒゲ状のコケに有効。ライブロックやサンゴに覆いかぶさる苔の除去にも期待できます。エメラルドグリーンクラブは石灰藻類も食べてくれる。
・オニヒメブンブク、ミズタマハゼ、マガキガイ
→砂上のコケ、砂の中の微生物、デトリタスの除去。結果的に水をきれいにしてくれるのでコケが生えにくくなる。
エビに関しては苔の量が多ければ8匹ぐらい入れても大丈夫です。
カニ類は縄張り争いも想定して60㎝水槽で2~3匹が妥当。
ガラスの苔は正直スクレーパーでこまめに除去したほうが早いです。
○まとめ
光量と水流関係ははサンゴの飼育を最優先で考えてあまりいじらない方がいいでしょう。
先ほど挙げた水質調整だけで、コケの減少、少なくとも増殖を抑えることができます。
私の水槽は60㎝非OF水槽で生体が多く非常に汚れが溜まりやすい水槽であることは以前の記事に書いたとおりです。
あとはこまめにマグネット式スクレーパーで30秒ぐらいの簡単ガラス清掃です。一気に溜まったコケをとるのは生体、特に経験上エビに悪影響な感があります。
NO3PO4-Xに関しては、重曹添加がこのまま副作用なしであれば、容器の中身がなくなり次第買い足しをやめる検討もしています。
化学薬品だし、ちょっと高いですからね(笑)コスト管理もアクアリウムを今後も長く続けていく重要な要素かと思います。
では、今回はこの辺で!