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バンブルビーの感想(ネタバレあり)

イオンシネマ京都桂川で鑑賞。
京都桂川は売店で飲み物買うと結構並ばないといけない事が多いんだけど、横のカフェコーナーの飲み物も持ち込みオッケーなので急いでいる時はそっちでコーヒー買うのもありだと思うよ。

トラヴィス・ナイト監督前作「KUBO/二本の弦の秘密」が苦手だったのと、トランスフォーマーシリーズもまあ好きだけど最優先事項ではないって感じで、全く期待しないで観たけどとても面白かった。

とにかくヘイリー・スタインフェルド

まず素晴らしいのはヘンリー・スタインフェルド演じるチャーリーの物語。
スタジオライカ作品から通じるけど、孤独である事の辛さの表現が本当上手い。朝起きた時の家族とのやりとりだけで彼女の居場所のなさがビシビシ伝わってくる。

お父さんを亡くし母親と母親の新しい恋人と弟と暮らしているんだけど、全員良い人達で観客側から観ると悪い雰囲気が全然しない。誕生日のくだりとか良い人だからこその無神経さで誰も悪くないのにかなり残念な事になってるのが可笑しい。

ただ彼女からすれば父親と親密だった分、すぐに切り捨てられないし、簡単に(と彼女は思っている)新しい恋人を作って住まわせてる母親を軽く軽蔑してる。
父親と一緒に直そうとしていた車は1人では直す事が出来ず、他の家族が仲良くテレビ見ているそこには入っていけない彼女の表情で胸が締め付けられる。

だから車屋のおじさんが彼女の切実な願いに心動かされビートルを譲るくだりも凄くいいんだよなぁ。最後の「ハッピーバースデイ」の言い方とか本当泣かせる。こういう登場人物達のセリフとかいちいち気が利いてて上手い。

彼女程深刻な事情がないにしろ、家族に自分の居場所を見つけられない瞬間って思春期の時なら誰もが似たような経験していると思うし、とても共感しやすいと思う。あと思春期女子のめんどくささを演じさせたら今ヘイリー・スタインフェルドの右に出る人居ないんじゃないだろか。

ラストのコミカルさを忘れないでドタバタしながら家族が助けるくだりの高揚感もスタジオライカ感あってとても好き。

バンブルビーがかわいい

バンブルビーが記憶無くして赤ちゃん状態なので今までに増して可愛い。特に怒られた時に目が困った形になる所が個人的にツボ。家中の物をぶっ壊しまくる所もやり過ぎ感含め、あざと可愛い。

後半に殺人マシーンモードになった時に目が赤くなるのとか、アイアン・ジャイアントっぽい雰囲気。

あとラジオの曲で会話するっていうのが本当に出来るのかよく分からなかった。

マイケル・ベイの影

トランスフォーマー同士の戦争シーンから始まるんだけど、全く説明なくても「みんな前シリーズこの前までやってたし、まあ分かるよね」っていう見事な省略具合。バトルシーンのアクションも見やすかったし、ロボデザインがマイケル・ベイ版より今回の方がレトロでダサカッコ良くてかなり好みのタイプ。

そこから命からがらバンブルビーが地球に逃げてくるんだけど、不時着した場所がジョン・シナ演じる凄腕の軍人が軍事演習中だったので、いきなりめっちゃ追いかけられるという、マイケル・ベイ版を踏襲した(?)バカみたいな展開になっていくのは笑った。
更に実はガッツリ追いかけてきてた敵トランスフォーマーとの死闘もあり声と記憶を無くしてしまうバンブルビー。ちなみにアリータとかキャプテンマーベルとか外界から来た存在が記憶無くすカルチャーギャップ展開な話が多すぎる気がするんだけどトレンドなのかな。たしか次のピカチュウの映画も記憶無くしてたし。

爆発に次ぐ爆発の派手さとかもベイ版を踏襲した感じ。ただ個人的にはトラヴィス・ナイトは登場人物に寄り添った繊細な演出が得意な人で、狂った登場人物が次から次に出てくる楽しい映画を作るマイケル・ベイとは資質が真逆だし、今後新しいシリーズにしていくならベイは関わらない方がいい気がする、、、

気になった所

ラストの飛び込みシーン、彼女がトラウマを乗り越えた事を示すいいシーンだとは思うんだけど、水中潜ったらバンブルビーが結構ピンピンしてて「別にあんな高い所から急いで飛び込む必要なかったね、、、」と泣いた直後に肩透かしだったなぁ。ラストに1人で直せなかった車で走り出すシーンあったし父親離れのシーンはそれだけで十分だと思った。

あとあのイケメンはなんだったんだろか。周りの女子たちの性格の悪いし、実は本性はヤバいサイコパスでは、、、と思ってたけど毒にも薬にもならならず、ただイケメンであるという存在以上の理由がないままフェイドアウトしていき結構ビックリした。いや、別にいいんだけど、なんか不気味じゃない?気になるよ。

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