サスペリアの感想（ネタバレあり）

TOHOシネマズ二条で鑑賞。

本編と関係無いけど何故か対応作品じゃないのにMX４Dのスクリーンでの上映で座席が高くて足がブラブラして座り心地悪いし隣の人がちょっと動いただけてかなり揺れるし本当嫌だった。
今までこんな事なかったので今後も普通にあのスクリーン使うならかなり心配だなあ、、、

サスペリアは一作目だけ観ているけど、オールナイト上映で観たせいもあり結構寝てしまい何となくしか覚えてない。

ルカ・グァダニーノ監督作は前作「君の名前で僕を呼んで」だけ鑑賞。こちらはラスト主人公のお父さんが息子に語りかける所とか、とても好きなシーンは沢山あったんだけど、前半がのどか過ぎて正直かなりの眠気と戦いながら観た記憶。

なので今回も上映時間長いし眠気に勝てるか心配してたけど全然大丈夫！
出てくる登場人物全員キャラ濃いしバイオレンス描写も満載でかなりギンギンな映画だった。
正直話はちゃんと理解出来てないし、全く見当違いな事言ってるとは思うけど、分からないなりに思った事を書き殴っていく。

最初のバイオレンスシーンのバキバキダンスの所から心を鷲掴みにされた。
普通にダコタ・ジョンソンが身体能力が高くてダンス自体見ていて楽しい。

おそらくダコタダンスがキマればキマる程、バキバキダンスの方はダメージを増していくルールっぽくて被害者のあの娘には悪いけどあまりに理不尽な高揚感にずっと笑顔になってしまった。
というかバキバキダンスの方が身体能力いりそうなのでこっちの女優さんも相当凄い。

カットバックのリズムとかはちょっとコクソンの祈祷シーンを連想した。

その後虫の息のバキバキガールを、見てると不安な気持ちになる形のフックでオバちゃん達が刺して運んでいくシーンは何が何やら分からないが面白い。

その後も出し惜しみなく面白残酷シーンが飽きる間もなく入ってきて楽しいし、特にラスト凄い勢いでなだれ込む異常なテンションの儀式シーンは最高。

（たぶん）身体を入れ替え様とするマダム・マルコスに対して、「元々私の方が凄いんですけど」と急にスタンドを繰り出してマルコス初めマルコス派閥の人達を北斗神拳よろしく身体の内側から爆破させていくシーンはよく分からないけど爽快だった。

あと僕がこの映画で一番怖かったのはティルダ・スウィントン演じる精神科医のおじいちゃんが散々奥さんと生き別れた事をトラウマにしてる事を見せられた後、魔女達に嵌められるシーンだった。
「はっ！」と気付いたら魔女の館の前で奇声上げながらおばちゃんが突進してくる所でかなりビクッとなった。
そのまま罵倒されつつ天国から（文字通りの）地獄に連れていかれるシーンは本当可哀想過ぎて胸が痛んだ、、、

そのシーンに感情移入したからこそ、ラストにスージーから奥さんの最後を聞き記憶を消されるシーンはとても優しい気がして泣けた。
この辺はダコタ・ジョンソンの語りかけ方が素晴らしくて「君の名前で僕を呼んで」の父と息子の会話を思い出すとても良いシーン。

一作目のサスペリアの印象だと普通に魔女は悪役として描かれていた気がするんだけど、今回魔女化したスージーの描かれ方が聖母みたいで凄くフレッシュだった。
まあ、あそこに至る経緯が血みどろ過ぎるので、禍々しい存在でもあるとは思うんだけど。

苦言を呈するなら、ティルダ様が三役やってる理由とか解説サイトで読んだけど「へー、そうなのか」以外の感想がなく、他に色々ある細かい裏設定が一本の映画としての良さにつながっているのかよく分からなかった。
絵的に1シーン1シーンにパワーがある映画なので、そこは好きなんだけど細か過ぎるディテールを調べたいと思う程、僕はのめり込めなかった。

とはいえ、最初から最後まで飽きる事なく観れたので全体的には満足。
ルカ・グァダニーノ監督作品、今後も楽しみ。