ゴジラ キング・オブ・モンスターズの感想(ネタバレあり)
TOHOシネマズ二条のIMAX3Dで鑑賞。IMAXですら思うけど、僕は3D向いてない。眼鏡の上に眼鏡状態が気持ち悪くて耐えられないし、明るさ調整してるんだろうけど、どうしても3D眼鏡がフィルターになってるみたいに感じる。映画はIMAX2Dの上映がベストだなぁと改めて思う。(個人の感想というか愚痴です)
前作ギャレゴジはダラダラしたドラマは足を引っ張っているけど、小さい人間からゴジラ観る視点がとてもフレッシュで好きだった。
今やちょっと不評気味に言われるけど、なかなかゴジラが出てこなくてハワイに上陸し溜めて溜めてやっと全身が映るカットからの咆哮のシーンは当時鳥肌出る程感動した。モンスターバース内だと未だこの1作目のゴジラが一番好き。
なので、当然期待して観に行ったのだけど微妙というか感想書いてるうちにどんどん嫌いになってきた。
まあ誰もが言ってるだろうけど、とにかく話がめちゃくちゃ。これに比べればギャレゴジも、この前のキングコングも本当重厚なドラマだったなぁ。
魅力のない登場人物達
まず今回怪獣を暴れさせるヴェラ・ファーミガが何考えてるかさっぱり分からない。息子を怪獣バトルのせいで亡くしたので一人娘だけは守らないと!みたいに言ってるけど、怪獣を蘇らせて暴れさせるという目的とその要素が全く重ならない、ってかむしろ真逆。怪獣を使う事で家族との絆を取り戻せるみたいな設定もないし何の為にそんな事してるのか分からない。
怪獣を蘇らせると「こんな良いことがあって自然環境が良くなるのよー」、そんな事したら人類滅ぶじゃんという指摘に「大丈夫よ、何パーセントかは残るから」という画面越しの狂った問答シーンではマジで全く話通じなくて恐怖、典型的なサイコパスでヤバい。
娘役はストレンジャー・シングスのエル役でお馴染みミリー・ボビー・ブラウンが出てるんだけど雰囲気だけな印象。もったいない。
モナーク側の人間も仕事出来ない怪獣オタクしかいなくて、こんな奴らが人類の命運を握る組織という世界観ってすでに崩壊してて笑うしかない。このマルチバースに生きてなくて良かったと心底思う。
一人裏切っただけで地球滅亡の危機が起こるし、怪獣が暴れた時の市民の誘導とか何も上手くいってないし、世界最古の古代遺跡ぶっ壊すし、最初の方で怒られていた通りアメリカ政府に管理される方がまだマシだと思う。
またメンバーが華が無い、一番好きなサリー・ホーキンスがよく分からないタイミングで死んだりして開いた口が塞がらない。
渡辺謙は貴重な遺跡を壊した罪で地獄に落ちて苦しんで欲しいという思いしかないし、チャン・ツィイ―の双子設定マジ要らないし、オーマイゴッドの後、「、、、ジラ」とかいうジョークセンスも空気読めな過ぎて寒気がした。
設定の問題なのだけどキングギドラは宇宙からきたエイリアンで地球の怪獣とは別なので敵!みたいのも納得出来なかった。昔の人の日記みたいな資料だけで宇宙生物って断定するのも驚愕(DNA調べるとかじゃないんだ)
レジェンダリー大丈夫かな?
怪獣映画だから子供だましが許される、みたいな考え方はこの規模の作品だと正直ダメだと思う。
アメコミ映画とかでも原作にはリスペクトをしつつ今の時代の鑑賞に耐えるアレンジして作る努力をどのシリーズもしてるのに、何も考えず雑に日本のゴジラ映画要素をそのままぶち込んで面白いでしょ?は怠慢な気がする。
というか子供向けにするならもっとドラマ減らして怪獣バトルを前面に押し出す作りにするべきだしどちらにしても中途半端。
「名探偵ピカチュウ」の時も同じ様な中途半端さを感じたのだけど、こんな映画作りを続けているとそのうち誰もレジェンダリー作品についてこなくなる気がする。大好きなヒロアカの実写化もめちゃくちゃ不安になってきた。
良かった所
色々言ったけど怪獣が暴れるシーンは素晴らしい。個人的に一番好きなシーンはラドンと戦闘機のバトルシーン。「空の大怪獣ラドン」の白眉だった見せ場を現在のアメリカの最新戦闘機を使ってやってて、ラドンが次々と墜落させていくのが爽快だった。他のシーンと比べてここは昼間だったから明るくて何が起こってるか分かりやすくて見やすいのも良かった。
ゴジラVSキングギドラのバトルはそりゃ上がる。キングギドラの強さの桁が思ってたより凄くて、あそこまでの再生能力あるのは普通にずるい。
そんな敵を倒すのにゴジラはどんな手を使うのか?という部分にはロジックがあったのでそこは良かった。ここのバーニング攻撃のところで熱さに悶え苦しんで死ぬヴェラ・ファーミガの描写があれば100点だった。
というわけで好きな所もあったので駄作とまでは言わないけど、モンスターバース作品の中では今の所ワーストかなぁ、、、まあ次のコングvsゴジラはロッキー4を参考にしてるらしいので一応期待します。