X-MEN ダークフェニックスの文句(ネタバレあり)
今回は比較の為に「キャプテンマーベル」のネタバレにも触れております。ご注意ください。
イオンシネマ京都桂川で鑑賞。残念ながらガラガラ。お客さんの反応も内容的にも寂しいお葬式って感じの雰囲気だった。
X-MENシリーズは全作観てはいる。駄作もあるけど時々考えられない位大傑作が入ってくるし油断ならないシリーズという印象。初めてちゃんと観たのは「ファーストジェネレーション」で「X-MENシリーズってこんな楽しいんだ!」とめちゃくちゃ好きになり「フューチャー&パスト」前のタイミングで全作観直したのだった。
その「フューチャー&パスト」が綺麗な完結作で駄作も含めてこれまでのシリーズ全てを肯定する様な大傑作で「エンドゲーム」を観るまではここまで綺麗な終わり方のアメコミ映画はないだろうと思ってた。
それとバッドめな終わり方が好みの人用に、もう一つのX‐MENの終わりをウルヴァリン目線で提示したのが「ローガン」で、こちらも負けない大傑作だった。
ただ「フューチャー&パスト」の後の「アポカリプス」が、帰ってきたドラえもんスタイルで最終回の後も平然と話を続ける製作体制に心底がっかり&単純に作品としての出来が相当残念過ぎた。
今作「ダークフェニックス」はそこからさらに後の話と聞いて「十中八九駄目だろうなぁ」とは思いつつ「途中からとは言えここまで付き合ってきたし最後まで見届けなければ!」という義務感で観てきた。
結果的には「アポカリプス」に引きを取らない残念映画になっていた。
まず一番がっかりしたのが「フューチャー&パスト」で号泣したラストのウルヴァリンが目覚めてジーンと再会する所に全然繋がらないじゃん!ふざけんなよ!俺の涙返せよ!!!という部分。
ファイナルディシジョンで悲劇的な結末を迎えた2人にもう一度救う様な展開に号泣したのに、この終わり方だとウルヴァリンと出会うことすら無いじゃん。
あとミスティークの死に方もホント愛がない。ファイナルディシジョンで残念過ぎる退場よりはマシだけど、ただ単にジーンをやっつけるきっかけ作りで都合よく殺すのとか本当嫌い。前作マグニートをもう一度悪に落とす為に、どうでもいい奥さんと娘を設定して、どうでもよく殺すという展開があったけど、それと通じる気持ち悪さ。
まあ、もしかしたらジェニファー・ローレンスがいい加減ダラダラこんなシリーズ出たくなくなったからさっさと退場させて欲しいとか要望したのかも知れない、それならしょうがない。
途中から、これまで出てこなかった宇宙人が出てきたのはビックリした。いやマーベル作品に宇宙人いて普通っていうのはMCUとか観てたら分かるんだけど、X-MENシリーズだと初登場だしかなり面食らった。
そもそもこのシリーズはマイノリティの差別をテーマにした作品だし人間側にしてもミュータント側にしても誰かが死ぬシーンは戦う事の虚しさみたいなものを感じる事が多いんだけど、今回黒幕を宇宙人にしたせいで、「ミュータントでも人間でもないなら手加減する必要なし!ぶっ殺して良し!」みたいな扱いになってるのはどうなんだ、と思った。(まあ殺し方のバリエーション自体は観ていて楽しかったのだけど)
宇宙人の能力的にはキャプテンマーベルのスクラル人とほぼ一緒なのだけど、あちらはそういう見た目の悪役っぽさをミスリードにしてたのが巧みだっただけに、ただただ宇宙人は悪いという結論に持っていくのはX-MENというシリーズなのに差別的で印象良くない。というかあの宇宙人の背景と目的って観てるこちらにも説明されてないし、あんな問答無用でごみクズの様に殺されて、こちらはどういう気持ちになったらいいのかよく分からなかった。
まあ色々あるけど、監督さん1人のせい、みたいな事は言いたくない。
というか、ジョシュ・トランクの件があったのに、またこういう形で監督を潰す様な映画を出してしまった20世紀FOXのX-MENシリーズの製作サイドが悪い気がする。
ディズニーに買収されてMCUに吸収されるのが良いのかは分からないけど、一旦全部終わらせる事になったのは本当に良かったと思う。