見出し画像

アスの感想(ネタバレあり)

TOHOシネマズ二条のプレミアムスクリーンで鑑賞。結構混んでた。
プレミアムスクリーンは背もたれの角度調節出来るけど調子に乗って勢いよく倒すと頭打つトラップがある。

画像1


ジョーダン・ピール監督作品。前作の「ゲットアウト」がコメディと紙一重の不思議な感覚のホラー映画でとても面白かったし今回も楽しみにしていた。

画像2

あと最近のジョーダン・ピール的にはトイストーリー4のバニー役でもお馴染み。今思うとうさぎのぬいぐるみ役って意味深(考えすぎ)

画像3

前作から引き続き今回も不思議な感覚のホラー映画。

もはや前後のストーリーとか関係なく一目観ただけで怖いと感じる絵的なセンスが本当凄い。アート映画を観てる様なキメ絵のカットが連続されていて観てるだけで幸せ。演者さんもみんな上手いし、とてもリッチなホラー映画だと思う。

画像4

それでいて間抜けさも入っていて笑ってしまう。ブラックパンサーのエムバクでお馴染みのお父さんは終始しょうもないジョーク言ってるし、クローンの人達の挙動もいちいち面白いし、地獄の様な話なのにコメディ映画みたいな笑いが入るので、怖くは感じるのに重くない絶妙なバランス。
個人的に素晴らしかったのは、ルピタ・ニョンゴ演じるレッドの声。
あの第一声で笑っちゃうのだけど、最後に明かされるどんでん返しで何故彼女だけが喋れて、あんな声なのかという理由が全部繋がっていくのがゾクゾクする。
地上で生活していた時の声帯の名残りが、文字通り地獄の底から聞こえる呻き声の様になっている。なのにやっぱり可笑しい、本当凄い塩梅に仕上がっている。

画像5

あとドッペルゲンガーが出る映画って、もうちょっと主人公に寄せられる要素があるのが普通だと思うんだけど、どのキャラクターのドッペルゲンガーも明らかに別人にしか見えない。
それぞれの人達が話の通じない動物的な本能しかない自分を見せつけられる恐怖を描いているのが凄く新しいと思った。
だからこそ途中まで「ドッペルゲンガー話でお馴染みの主人公の生活を乗っ取ろうとする展開はないんだな」と油断してたからラストのどんでん返しは不意を突かれて普通にビックリした。

あと純粋にこんだけばっちり演じ分けられるって役者さんって凄い仕事だなぁと尊敬した。

画像6

ただ個人的にはラスト周辺の雑な世界観の説明が飲み込めなかった。逆に謎のまま振り切ってくれれば良かったのだけど半端に説明されたせいで「じゃあ色々おかしくない?」という部分が気になった。

野暮かも知れないけど、僕は上の人と下にいる人のシンクロ設定がよく分からなくて、下の人の生活を考えると生きていける気がしないし、いくらなんでも寓話的過ぎないかなぁと思った。

主人公の分身のレッドとか僕等が想像もつかない位の地獄を味わっている人なのにあまりにルール設定がいい加減に感じて、生身の痛みとして想像出来ないのがあんまり好みではなかった。

観終わった後、ハンズ・アクロス・アメリカという慈善イベントがあった事とか、富裕層と貧困層の隔たりの問題とか、後追いで解説とか色々読んだら納得はするし、アメリカ映画の最前線の重要作品ではあるし凄い映画だとは思うのだけど、初見の印象はあんまりピンとこなかったかも。もう一回観たら全然印象変わりそうだけど、、、


いいなと思ったら応援しよう!