サッカーを見て、名を知らぬ芸人を思い出した。
(メモ)
ロシアワールドカップの日本対ベルギー戦は午前3時のキックオフ。その翌日の更新。
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**サッカーのために早く寝て、サッカーのために普段寝ている時間にテレビをつけて、サッカーのせいで寝不足になり、サッカーのせいでエナジードリンクをのんだ一日...
日本代表の敗退は残念でしたが、選手の起用、交代を見ていると、次の試合、というか大会を通して勝つためのチーム運営をしていたと思います。
次、なんていうモチベーションの選手はなかなかいないと思いますが、ベテラン勢の活躍までも将来を感じさせる大会でした。みんな全力、一生懸命でしたよ。
その全力を支えていたのが監督をはじめスタッフだったと思います。イエローカードを持っている選手を変えたり、蓄積疲労への考慮。ワタシはサッカー経験者ではありませんが、マネージメントの工夫も、ときより感じ取れました。
たとえ専門家でなくても、ヒトがしていることなら、見ている側にも伝わることが多々ありますよね。**
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サッカーを観ていて、自分自身の経験を思い出しました。芸人をしていたころのこと。大学生のころの話ですね。
ご存知かと思いますが芸人にもコンテスト・大会があって、誰もが優勝を目指します。・・・目指すのですが優勝とは別に、「場を荒らす」・・・と言うと聞こえが悪いですが「コンテストを盛り上げる存在」のコンビがかならずと言っていいほどいます。
有名な芸人さんのなかにはそれを芸風にしている方もいるので、誰かの顔を思い浮かべたかたもいるのではないでしょうか。
お笑いコンテストに出場したときのこと。大学生の芸人が全国から参加して、日本一を決めるという大会でした。
コンテストと言っても若手、それも大学生ですから控え室は無く、みんなが通路や非常階段のようなスペースを見つけて、最後の練習している光景。テレビで中継される大きな大会でもこういうシーンが映し出されることがありますよね。
高まる緊張を紛らわせるかのようにみんなが打ち合わせをすると小声でも、声と声が重なることで大きな声になり、主催のスタッフさんから怒られる場面もありました。
ワタシと相方はネタあわせはほどほどに、周囲をうろついていると、トイレでとある芸人に声をかけられました。「出番、何番目ですか?」「予選どこで受けました?」中部大会から決勝にきたという彼はとても気さくで、緊張をほぐしてくれました。
お互いに好奇心旺盛で、ネタの話もしたと思います。「漫才やるけど、何やるの?」みたいな話。ずいぶんと会話が弾んで、印象もよかったので、ワタシたちは彼の出番になると会場に入ってネタを見ることにしたんです。すると・・・・。
彼は半裸で壇上に出てきました。舞台を縦横無尽、衝撃でした。「プロの世界で半裸くらい・・・」と思いますが、若い芸人はMCなどメインになりたいと思って正統派の漫才をしている人がほとんど。大学生の大会でこんなことをやる人はほぼいない。さらに彼の真面目なお笑い論を直前に聞かされていたワタシたち。フリが効いていてそれはもう面白かったですね。
若くて真面目だった当時のワタシには刺激が強かった(笑)。ひょっとすると彼はワタシが思う以上に勝負を捨てていて、ワタシたちに狙いを定め、あんなネタを入れ込んできたのかもしれない。と疑いをもつほど。
ネタが終わり、声をかけようにもどこにもいなくて、それっきり。主催者に怒られたのか、中部と言っていたから新幹線で早めに帰ったのか。なにより今も芸人をしているのか・・・。そのすべてが分からぬまま。
・・・とまぁこんなことがありました(笑)
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**彼は捨て身だった。持てる力を出し切った。でもそれが実力なのか、出すべき力だったのかは分からない。ただ、出し惜しみをしていないことは伝わった。
何が正しいかは関係ない、答えもない。ただ、突拍子の無いことをすることで勝てることがある。でもそれは長くは続かない。サッカーも本当の捨て身なら運命が変わったかもしれない。でもその先は敗戦濃厚だったと思う。もつべきは実力、まぐれではない、実力。実力は勝つ可能性を上げる、実力は積み重ね・・・。
気付いたことがある。広い視野、といえばヨコ向きの幅をイメージするけれどタテの視野、可能な限りロードマップがあったほうがいい。ワタシも5年後、10年後を見据えて、考えていける冷静さをもちたい。
あのころのワタシは、ロードマップもなければ半裸にもなれなかった。最近、妙にお笑いに対して消化不良になっているのはこういうところだろう。あのころのワタシはもっと一生懸命になれたはず。結局、彼もワタシたちも入賞できなかった。コンテストでは彼もワタシ同じというジャッジ。それでも今、彼をうらやましく思う。
何が正しいかは分からない。ただ、全力で取り組まないと気付けないことがある。後悔しないように全力でありたい。
全力で戦いきった日本代表だから4年後はきっと明るい。強さを感じながらも将来を感じる。すごくいいチームだったと思います。クラブに戻ってからも忙しいと思いますが、休養をお忘れなく。ワタシは早速、寝ることにします(笑)**
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