10/17 キラキラと落下する水『帰還』
おはようございます。
今夜は満月、しかもでっかいスーパームーン。夕べのお月様は雲がかかっていましたが、その大きさは実感できました。
昨日の午後、廃品回収車がまわってきたので、PCモニターとモバレコの機材を引き取ってもらいました。
「毎度~、いつもありがとうございます」
と言われて、たしかに家電関連はほとんど持っていってもらったなぁ、と。
ほとんどがまだ使えるものなので、ゴミで出すのは忍びない。かと言って、リサイクル屋に持って行っても、昨今は引き取ってもらえないことが多く……。
ですから、家に居ながらにして、氣になっていたものを手放せてホッとしました。使わないものは手放して空いた空間を作っておく。
ショローになったら、ぎっしり、みっちり、たっぷりはNGです。
すき間がないと「福」もやってきませんからね。
稲刈り後の田んぼ、刈り取った後から新芽が出ていました。
お、これ、ニャンズのお土産に少しいただこ。
市販の猫草はイネ科ですからね。
案の定、大喜びのニャンズ、よかった、よかった。
ヒメジオンが道端で薄い紫色をのぞかせていると、手を振りたくなります。
今時分の田んぼ道の匂いが好きです。
さて、ゲド戦記シリーズの4巻『帰還』がショローにピッタリだったという話に入ります。
ゲド戦記シリーズは言わずと知れたル=グウィン作、清水真砂子訳の名作。
ラストで龍の子であると明かされるテルーは、虐待を受け顔半分を火傷でつぶされ、片手の手は開くこともできない少女。そんなテルーを引き取って育んでいるのは、かつて地下王国の大巫女だったテナー。彼女はゲドとの冒険のあと、ごく普通の農家に嫁ぎ、二人の子供を育て上げ、数年前夫を亡くしていた。
恩師オジオンの死期が近いと聞き、テナーはテルーを連れて、オジオンの家に向かう。オジオンを看取った直後、かつてオジオンの弟子で、大賢人だったゲドが、ズタボロの状態で竜カレシンによって運ばれてくる。
もはや魔法使いの力を失ったゲドとおばさんになったテナー。このふたりは四半世紀を経て……。なんとまぁ、なんとまぁ。
やっとそれぞれの真のこころに氣付いたふたりは、束の間おだやかな暮らしを営みます。
その様子が実に、地に足がついた描写で描かれていて、強く惹かれました。
こんな描写です。
キラキラと落下する水
上昇でなく下降、下り坂なんだけど無理がなく、流れて循環していく。
なんと素晴らしい表現でしょう。
久しぶりに「ゲド戦記」シリーズ、それもこの帰還を手を取ったのは、この表現をよく味わうためだったように思います。
ありがとうル=グウィンさん、ありがとう清水真砂子さん、ありがとう岩波書店さん。
死ぬまでに必ず読み直す愛読書、すべてはうちにある。
外に求めなくてもいい、「もっと、もっと」と欲しがらなくていい。
やっと、ここまで来れました。
今日もご機嫌元氣でありますように。