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5/28 『アタゴオル外伝 ギルドマ』に出てくるヒデコちゃん

おはようございます。
メディアファクトリーのMF文庫・ますむらひろし『アタゴオル外伝 ギルドマ』の中にワタシと同じ名前の「ヒデコ」ちゃんが登場しています。
ちっちゃくてかわいいヒデコちゃん。
まるで古事記の、オオクニヌシの国造りを助けるスクナヒコナを彷彿させる存在です。

初版2004年

主人公ヒデヨシの頭頂部に乗ったヒデコ、実は「輝彦宮」という重要な役割。

眉をひそめる「オレ」のヒデコ、胴体の毛を剃られたヒデヨシ

この作品は宮沢賢治的なアタゴオルの雰囲氣とは一味違っていて、世界を征服を狙う植物女王ピレアと闘うヒデヨシと仲間たちを描いた長編活劇であります。謎の輝彦宮はヒデヨシによって「ヒデコ」と呼ばれ、行動を共にしながら、最後身を挺して消えていく……。
そこに悲しみはあっても、希望が残ります。

一見ぐうたらで食いしん坊で人騒がせ、役に立たない代表格のようなヒデヨシ。ヒデコがピレアにひとり立ち向かおうとするとき、ヒデヨシは言います。
「トコトン生きるために生まれてきたのよ~」
「誰かを助けるとか、森のためとか、村のためだとか、そつけな理由で命を落とすなんて、オレがゆるさないわよ~」と。

なぜ輝彦宮(ヒデコ)がしょうもないヒデヨシをパートナーに選んだのか、周りの人たちはわけが分かりませんでした。しかし、ヒデコはヒデヨシの本質を見抜いていたのです。

「どんなにすさまじい憎しみがやってきても、それを本当に破壊するものは、微笑みの中にしかないんだ」
ラスト、闘いを見届けた目撃師・網玄の言葉です。
ヒデヨシの表情はどんなときも常に微笑み一択。

ただし、表に出さなくても微笑みの奥には悲しみがあることを忘れてはいけませんな。
アタゴオルなど独自の世界観を構築しながらも、並行して宮沢賢治世界を描き続けるますむらひろし。彼の作品のあちらこちらに賢治の影が見えるのが嬉しくて、ときどき読み返してしまいます。

ワタシにとっての輝彦宮は歴代の猫たちです。
たくさんの輝彦宮がいろんなものを祓って、去っていった。

ちぃちぃも輝彦宮に違いない

ではでは、今日もご機嫌元氣に参りましょう。

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