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ショローと猫暮らし 「朝の光景」



ちぃちぃを呼ぶ

朝目覚めると、寝室のドアを開け、「ちぃ」と呼ぶ。
スタン またはスタッという音、続いて寝室に向かってくるちぃちぃの氣配。
きた、きた、うふふ。
「おはよー、ちぃちぃ」
フン、ンフフ~、ゴロゴロと入り混じったちぃちぃ独特の音。
額から後頭部を撫でると、ゴロゴロ音が大きくなる。
腰パンで今朝の体調チェック。
今日もいい張り具合だ。
ちぃちぃ、最近ウエストが分かるようになった。
しかし、これが猫本来の体型である(いや、まだまだ本来には程遠いが)。
正直言うとちょっと寂しくもあったが、今すぐ病や死に結び付くわけではないのだから、ありのままを受け入れようと氣持ちを切り替える。

我が家で名前を呼んですぐ来てくれるのはちぃちぃだけだ。
トーマとわこは自分の名前をちゃんと認識しているが、呼んでも来ない。
若手のヤムヤムとタオの場合はまだ名前自体に反応が薄い。

タオが乗る


そうこうしていると、タオがぴょんと飛び乗ってくる。
ワタシの膝で、ちぃちぃのからだにぴったりからだを寄せて横並びになる。
このときは、思う存分タオを撫でることができる。
タオはちぃちぃがいると、ワタシに対して無防備になるのだ。
不妊手術の傷跡にはすでにうっすら毛が生えそろい始めている。
手のひらに乗るくらいだったチビ猫が、こんなツヤツヤのレディになるとはね。

ヤムヤムと夏子


軽快なトロットでやってくるヤムヤムは、恐れを知らずに夏子の背後に忍び寄る。
クンクン、夏子のしっぽに鼻を近づけた途端、
カァーッ、なにすんのぉ!
観音から変身般若面の夏子に猛追され、ひゃ-っ(実際には無言だが)と廊下に逃げるヤムヤム。
廊下三分の一の距離で追跡を諦め寝室に戻った夏子、ワタシの膝の2匹の猫が目に入る。
ふんふん、なんなのよ、まったく……。
夏子はスタスタと部屋のコーナーに向かい、段ボール爪とぎでバリンバリン爪を研ぐ。
なっちゃん、今日もすこぶるお元氣でなにより、なにより。

トーマの必殺技


「ナオン、ニャロウン」
遅れてやってきたトーマはワタシの顔をじっと見て、前脚を頬に伸ばす。
彼はいつも、こうしてソフトタッチでワタシの顔に触れる。
これがトーマとワタシの儀式。
トーマと接していると、オスだけど乙女チックアイドルだったミンちゃんを思い出す。
ズズとミン。
ちぃちぃとトーマ。


どうやら我が家における猫系譜というものがあるらしい。
血のつながりではなく、場のつながりか。
その場合当然、その要素としてワタシも関わっている。
シッティングの現場でもよく感じたことだが、その家の猫氣質のようなもの、コレは必ずあるように思う。

我が家の女子猫は、おおよそ2パターン。
プライベートキャットの夏子、マイウェイのわこ。
彼女らは特に仲間を必要としない。
モン、華、チビもこのタイプ。
タオや夜はおじちゃん好きだし、他猫と楽しく暮らす。
どっちがいい、悪いではない。

マイウェイわこ


だから、朝の寝室開放タイムにおいても、わこは唯一やって来ない。
彼女はひとりキッチンカウンターでごはんを待っている。
我が道を行くわこ、16歳。

ちぃちぃの好物


ちぃちぃはワタシの膝から降りると、夏子の食べ残しドライを丹念に拾っては食べる。
自分のお皿からこぼれたドライには見向きもしないのに、夏子の食べ残しドライはまるで王族メニューかのように大切に、よく噛んで食べる。
カリッ、ポリッ。
ちぃちぃの朝の儀式だ。

夢を叶える


小学生のころ、夢想していた。
毎日本を読んで、猫に囲まれてゆったりと暮らすこと。

これがつかの間の平安なら、まさに今を十分に堪能しよう。
この状態がずっと続くわけではないことをショローのワタシは知っている。
だからこそ、今を十分に味わい尽くさなければもったいない。


いつか、この日の完璧に倖せな時間を思い出すだろうか。
いやいや、そうではない。
いつだって「今が一番倖せだ」と思えるように生きること。

ひとまず今朝も完璧(に近い)!
皆様も猫さんとのご機嫌元氣な1日を!
また、来月。



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