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園芸初心者の記録 ワタシの庭①

庭以前 

2022年10月12日に糸島のフィンランドハウスに引っ越して約8か月、やっと庭のデザインにとりかかり始めた。
まったくの園芸初心者として、なにもない庭に向き合う。
これはその記録である。

まず庭の形は、縦5m,横10mの長方形。
高低差はなく、のっぺりした平坦地。
砂の多い土質で水はけはよい。
日当たりはよいが、逆に日陰がない。

両隣との仕切りは高さ80cmほどの金属フェンス。
なんら面白みもなく、悪目立ちもしない代物。

手前の三角形がクローバー。



リビングから見ると、正面にビニールハウスが長々と横たわっている。しかし、このビニールハウスは解体が進んでいるので、いずれ視界から消えることになる。正面の幅が10mである。

左隣家の庭はかなりの広さで柿、桜などの樹木が大きく育ち、野菜畑もある。ときおり草払い機で草刈りをされている。
右隣家の庭は玄関先に設けられており、我が家リビングからの視界には家屋が見えるのみである。
ショローの園芸初心者としては、隣家に迷惑をかけぬこと念頭に置かねばならない。

園芸への目覚め


さて今年2023年の春先から、道端に咲くアカネスミレや田んぼの畔に広がるクローバーなどを連れ帰り、無味乾燥な庭に植えてみた。
それらがマイガーデンに根付いて、生き生きしだすのを見るとニッカリしてしまう。
なんてかわいいんだ。
これがガーディアンの芽生えだったかもしれない。

やがて近隣の方から植物を分けていただくようになった。
Kさん宅では四季折々の草花を見ることができる。
いつ行っても雑草を見かけたことがないので、お聞きすると、毎日数時間草取りをされているとのこと。
やはり、美しい庭にはそれなりの下支えがいるのだ。
だが、ワタシには到底真似できそうにない。
ある程度ほったらかしで丈夫に育つ植物だけの庭がいい。
ワタシが楽しむ庭でいいんだもの。

さて、このキャンバスになにを描こうか?

オノレの志向


散歩をすると、よそのお宅の庭や草花などに目がいくようになった。
これまでまったく目に入らなかったものが見えてくる。
シンボルツリーやグランドカバー、ウエルカムフラワーや寄せ植えなどなど。
なるほど、園芸をやってる人はやってたんだなぁ。
目が見開かれる思いである。

ただ、それに氣づいてから、オノレの好みが明確化してきた。
たとえば春先、ビオラ・パンジーなどをハンギングバスケットに飾っている家を多く見かける。ところが、ワタシはこれらを見ると、
「ホームセンターそっくりやん」
と思ってしまう。
よくありがちなもの、「いかにも」なもの、みんなと同じ、そういう類はほとんどこころに響かない。素直じゃない。そして、たぶんもうこの傾向は変わらない。であれば、開き直って独自な庭にするしかないわ。
とはいえ、まだハッキリとした庭の構想は浮かばなかった。

ハーブガーデン

クラピア案の挫折


とにかく最優先は、草刈りしなくて済む園芸方法、まずもってこのことである。
3月ごろ、クラピアというグランドカバーを敷き詰めることを考えた。
クラピアを一面に敷き詰めてしまうだけ。
踏めば踏むほどいい、とある。
裸足で庭を歩く、老猫をクラピアで散歩させることを夢想した。

そこで、造園業者の見積もりをとったところ、その費用なんと15万円。
うむむ~。
業者に頼まずに、己ひとりでやるとどうか?
ネットで調べた結果、ワタシの庭の広さでは苗だけで8万円。
またしてうむむ~。

ワタシはいたって飽きやすく、面倒くさがりな性格である。
おそらく庭一面のクラピアにはすぐに飽きるだろう。
そうなれば8~15万円をドブに捨てることになる。
この段階でクラピア案消滅。

19歳夏子の庭を目指す

ありあわせ園芸法


クラピア案消滅の段階で、この際極力お金をかけずに、ワタシ流、ブリコラージュなやり方でぽつりぽつりと庭を造っていこうと舵を切り替えた。
思えば、65歳の今まではなんでも一氣呵成にやるスタイルだった。
会社も畳んで、もはやそうする必要がなくなった今、ゆるゆると成り行きに任せることに挑戦してみよう。

5月、たまたま海辺で知り合ったスジョン先生が何もないマイガーデンを見ておっしゃった。
「この庭には、シンボルツリーが要りますね」
「木を植えるならオリーブがいいです」
即答したのは、なぜか去年から「オリーブの木を育てたい」と考えていたからだ。
香川で見たオリーブ園の景色、印象に残っているということは「好き」なのだ。すべての基本は「好き」から始まる。その先は付き合ってみて、合うか合わないか。やってみなければ分からないが、少なくともとっかかりにはなる。

数日して、スジョン先生が小さなオリーブの苗をくださった。
庭の真ん中にオリーブの苗木が植えると、にわかに庭造りのスイッチが入った。
オリーブの木陰を作るさまが脳裏に浮かんだ。
イメージできれば実現できる!

このオリーブは1株では実をつけない。

YouTubeで學ぶ

園芸初心者にとって、分かりやすい動画は大いに助かる。
なかでも、目下ワタシのお氣に入りはカーメン君チャンネルだ。
納得できるように丁寧に解説してくれる(ただし視聴には長時間かかる)し、その語り口が癖になって聞き飽きない。ダイソー商品の活用なども多いのが面白い。見ていると、ワタシなりのアレンジやアイデアを思いつくことが多い。なにより「大体でいい」と思えるところが素晴らしい。

もう一つがグリーンギャラリーガーデンズ。
本場イギリスの個人邸レポートなども見ることができ、ちょっとおしゃれなチャンネル。モルタルを使わないガーデンアプローチのつくり方などはこちらを参考にしている。園芸と建築の境界部分をフォローしてくれる内容、かつこちらもカーメン君同様「大体」「アバウト」の推奨姿勢にホッとする。

とにかくやってみる。
やってみて、だめなら変えればいい。
全力投球はしない。
続けられるやり方を見つける。
ショローになると氣負いがほぼなくなるので、これでいいかなぁ、と。

続く







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