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玖磨問わず語り 第17話 ミンさんの贈り物 その5
ヤムヤムTwitter
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コレを見ると、ミンちゃん、桜舎で17匹の猫におうたんやんやね。
最後に登場したのが福ちゃんかぁ。
ほいで、右上のソラマメの絵、アレ、なんなん?
玖磨じぃちゃん、いつか話のついででええから教えてや。
はぁ~、それにしても、わーの知らんことだらけやわ。
ほいでも、玖磨じぃちゃんかて途中からやろ、なぁ。
ふーん、ほーか、ほーか、わー、わかったような氣ぃがするわ。
全部知ろうとしても無駄ちゅうか、
いや、ちゃうな、ぜーんぶ知っとかんでもええちゅうこと、そうやない?
桜舎メンズ
なるほどだすなぁ、ヤムヤムさん、そうかもしれないだす。
風のように通り過ぎていく、それでいいのかもしれないだすな。
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さて、ミンさんが旅立った後、ズズさんが体調を崩したんです。
同い年、かつ長年の相方だしたからなぁ。
夏の間、食欲不振が続いて痩せてきたズズさん。
オラたちもナンリさんも、そっと見守るだけだした。
「なにもしない特別」、ナンリさんはそう言ってただすよ。
ミンさんの「痛み分けの術」以来、ナンリさんに「なにもしない」という選択肢がプラスされたんだす。
そんな中で、福ちゃんはまるで何年も前からいたかのように桜舎に溶け込んでいっただす。
「怒りんぼ」を返上した福ちゃん、ある日の夕方、こんなことが起こったんだす。
ガラガラーピッシャーン⚡
突然の雷鳴にみんなビクッ、ドキドキ。
そのとき、目の前を「テチテチ、テチテチッ」と、ヒトトイレに駆け込む福ちゃんの姿があったんだす。
ナンリさんはトイレの隅で丸くなって震えている福ちゃんを見て、笑いを堪えていただすよ。
「さっきの『高速テチテチ走り』は傑作だったわ~。福ちゃんって根っからの役者よねぇ」
いつもはキリッとした雰囲氣の福ちゃんが、雷様が鳴った途端、耳を伏せて高速テチテチでトイレに逃げ込むんだす。ヒトはこういうギャップで笑うんだすなぁ。
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ちぃちぃさんは相変わらず、セミナーのアイドルとして活躍を続けていただす。猫はわざわざ嫌なことはしないだすから、ちぃちぃさんは生徒さんの膝に乗るのが好きだったんだすな。
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オラだすか?
オラ、夏はホレ、覚えているだすか、アノ、おなかのおしっこ穴をきれいにするのに、シャンプーをする時期だした。全身シャンプーはオラにとっては一大イベント、ナンリさんも毎回腕まくりで氣合い入れてくるだす。
今もシャンプーが終わると、オラ、からだがフワフワになって、別の猫に生まれ変わったように感じるだすよ。
ミンさんが出発したあの夏は、特にそうだしたな。
部屋中にあったミンさんグッズを片づけ、真夏の大掃除をしてからのシャンプーだったからだすかな、リボーンってゆうんだすか、生まれ変わり感?がいつもとはちょっと違う感じだした。
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ナンリさんをハラハラさせながら、ズズさんの食欲がようやっと戻ってきたころ、1本の電話が入ったんだす。
ミンさん、動き出す
「めっちゃ可愛い女子だったわ~、かわいくて食べちゃいたいっていう形容詞がピッタリな女の子。早く来てくれないかなぁ」
帰宅したナンリさんは興奮しとっただす。
前の晩の電話で、ナンリさんは翌日、急きょ面談に向かったんだした。
「ワタシとほぼ同年齢の男性の方が亡くなられて、メス猫さんが残されているんですって。突然、ひとりぼっちになって心細いでしょうに。とにかくお話を聞いてくるわね」
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「可愛い茶白の猫さん、ワタシがご親族のヤヨイさんとお話を伺っている間、とてもおとなしくしてた。それよりなにより驚いたのが7月2日! チャパちゃんと暮らしていたAさんが亡くなった日よ。ミンちゃんと同じ日だったのよ。もぉね、この瞬間ワタシの中で、ミンちゃんがAさんと並んで歩いている図が見えちゃったのよ。ミンちゃんがAさんに提案したんだと思う。ゼッタイ、ミンちゃんがジブンに代わる可愛い女子猫を手配してくれたんだわ」
ミンさんの贈り物だすな!
「そう、チャパちゃんは間違いなくミンちゃんからの贈り物よ。でね、あまりにも嬉しかったから、それを初対面のヤヨイさんに思わず言っちゃったのよ。そしたら、なんとなんとヤヨイさんが『きっとそうですね』ってうなずいてくださったの。この手の話はヒトによってはひかれることもあるのに、ヤヨイさんはちゃんとわかってくださった」
「それともうひとつ、なんというかお部屋にAさんのチャパちゃんへの思いが残っているような氣がして、その場でチャパちゃんを桜舎に連れてくるのはためらうような、なにかがあったのね。それで、それもヤヨイさんに正直にお伝えしたら、『そう言っていただけてかえって安心しました。もし今日チャパを連れていかれるようなら契約はしなかったでしょう』と言われたの。それで、しばらくチャパちゃんのキャットシッティングをさせていただきながら、桜舎にお引越しできるタイミングをはかることになったのよ」
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今回はまた特殊なパターンだすな。
それにしても、ナンリさんをメロメロにさせる女子猫さんを手配するとはさすがミンさん、お目が高いだす。
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続く