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【はじめに・・】

最初っからちょっと本題からそれますが・・。

「小児在宅医療に取り組んでいる」という目新しさから、私は開業以来、いろんなところで講演やシンポジストに呼んでいただく機会に恵まれてきました。
違う職種や、違う立場の方にお話しすると、関心を持たれているポイントが少しずつ違いますので、なるべく事前にポイントを伺って、ご希望に近いお話をできるようにと考えています。

ですから、講演などのご依頼をいただく時には、
・対象となる方
・主にどんなことを話してほしいか

は必ず教えていただくようにお願いしていますので、ご協力をお願いいたします。

【在宅医療に関わる職種】

さて、開業してからもうすぐ10年、月日の経つのは本当に早いものです。

これまでに、訪問看護ステーションやケアマネジャー、相談支援専門員の方をはじめ、介護・福祉・保育・教育・行政など幅広い職種の方と一緒に仕事をしてきました。

自前で他事業所を展開するような一部の大手の法人などを除いて、成人も小児も、在宅医療を行う上では違う事業所との連携が必須になります。

当クリニックのような小規模の事業所であれば、訪問診療を自分たちで行う以外の仕事は全て、他の事業所との連携において成り立っています。

さらに、当クリニックでは特定の事業所とのみ連携する形をとっていませんので、例えば、現在指示書を発行している訪問看護ステーションは30か所以上ありますし、紹介元の病院の先生や、成人であればケアマネジャー、小児であれば相談支援専門員や保健師の方など、とても多くの方とのやりとりが日常的に起こります。

逆に、訪問診療を受けている患者さんやご家族の側から見ると、当クリニック以外に、病院の主治医をはじめとするスタッフの方や、訪問看護師、リハビリの療法士、歯科医師、薬剤師、ケアマネジャー、ヘルパー、ショートステイやデイサービスなどの事業所・・その他多くの職種の方が関わっていて、それぞれの事業所がバラバラという状況です。

ですから、在宅での生活を支えるためには、多くの職種の間で連携が必要で、連携の密度が在宅医療の質を規定すると言っても過言ではない と、私は考えています。

【「連携」って何だろう?】

しかし、「連携」っていったい何なんでしょう・・?

至るところで「病診連携」「多職種連携」などと言われていたり、「地域連携のための会議」とかが開かれていたりして、聞きなじんでいる言葉ではありますが、私は長年、漠然としたイメージでしか受け止められずにいて、いろいろ悶々と考えていました。

この疑問に対して、現時点までに私にとって一番スッキリくる答えをくれたのは、たまたま引いた小学生時代に使っていた国語辞典だったのです。

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これを読んだ時、何かすごく納得する思いでした。

この説明には、どうも3つの要素が入っているようなのです。
この3つの要素を別々に書くと・・。

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・・いかがでしょう。何だかスッキリしませんか?

皆さんのされている「病診連携」や「多職種連携」では・・

個別の患者さんやご家族に対して、あるいは地域社会に対して、同じ目的を共有できていますか?

片方が相手に指示を出すばかりで、双方向なやりとりがない一方的な関係に終始していませんか?

誰が何をどこまでやるのか、役割分担を明確にして協力体制をとっているでしょうか?


繰り返しますが、私は、在宅医療の質を規定するのは連携の密度と言っても過言ではないと思っています。

そして、「連携」とは、この3つの要素が揃っている関係を構築していくことではないかと考えています。

前回の【「いい在宅医」とは・・?】では、在宅医療の3つの形について、私の考えをご紹介しました。

どの形の在宅医療であっても、みんな違ってみんないい。
問題は形ではなく、連携の密度だ!! ・・と考えているのです。

この2枚のスライドは、どこで誰にお話しさせていただく時にも、必ず入れさせていただいているものです。

もちろん一朝一夕にできることではありませんし、私自身が自信を持って「この3要素が揃った連携がカンペキにできている!」とはとても言えませんが、これからも、この3要素を頭に置いて、様々な方と「連携」していきたいと思っています。

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