歪んだ鏡の奥
続・制作期間。
音楽を始めて結構な年月が経つけれど、
いわゆる「生みの苦しみ」を経験したことがない。
いつかはスランプってやつが来るのかなと思いながらも
今のところはあたしの元には来ていないようで、
おかげさまで今日も楽しく作らせてもらっています。
ただ、別の苦しみは時々ある。
自分の深くと向き合うこと。
あたしはどうやら恋だの愛だのよりも
自分自身と向き合うような歌を歌いたいらしく、
そういう曲を書く時は心がすごく摩耗する。
嘘をつきたくはないから、
自分の弱い部分やダメな部分、
目を背けたくなるような部分も書く。
書くために直視する。
その時間がとても苦しい。
あたしの人間性なのか、
そんな汚い部分こそ曲にした時の達成感があって、
そういう感情こそ曲にすべきだって思ってきた。
そこにはきっと、
あたしが歌を歌うことを選んだ理由のほとんどがある。
「すべて」って言った方がゴロが良いよね。
だけど、それは嘘になってしまうから。
新しい作品にもそんな気持ちを込めています。
どうか楽しみにしていてね。