私たちはやはりどこかで不老不死を願ってるみたいだ
私たちはいつの時代も、どうして死から逃れることばかりに囚われてしまうんだろうか。
この間夏休みの生物基礎の課題に一つ、こんなものがあった。きっと遺伝子について勉強したからだろう、①クローンビジネス ②出生前診断 ③デザイナーベビー 以上のテーマから一つ選んだものを調べ、自分の意見を書くというものだ。
②の出生前診断 について自分の中で結論はまとまっていたので選択せず、残りの2つについては名前の知らないものだったので、とりあえず検索をかけた。
面白そうな課題だと手をつけて数分で、スマホに書かれたその現実に驚き以外の何も浮かばなかった。ペットのクローン、遺伝子組み換え、確かに聞いた事のある内容ではあった、しかしここまで技術が進んでいるとは思わかなかった。技術の進歩をここまで強く感じたのは初めてだったかもしれない。
そしてもう一度プリントを見直した。
用意された意見を書くスペースはたったの200字ほどだった。たったの200字でいったい何がかけるのだと思った。
①のクローンビジネスについて気になったのは、ペットのクローンだ。まだ成功率も低いとはあるが、本当にここまで人間が愚かだとは知らなかった。
ペットが亡くなってしまうことを考えるとすごく寂しくなるだって?まるで君が生き続けることを前提にしているみたいじゃないか。
③のデザイナーベビーについては、怒りを超えた哀しみだけが溢れた。親が子供の全てを選択するだって?そんなのもはや親の生まれ変わりだ。
今や人間は、完全なる不老不死の魂を作り上げようとしている。
それが実現した時、果たしてその人間の姿とはどんな姿なんだろう。
私はこの怒りと哀しみの狭間で、じっくりそんな姿を想像しようじゃないか。