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保育と人との繋がりの話 1

私は現在保育士をしている。
その前は幼稚園教諭をしていた。

元々自分が幼稚園に通っていたこともあり、最初は『幼稚園の先生になりたい』とこの道を目指した。
目指す前は漠然と『先生』というものに憧れていた私は、保育や教育について学んでいくうちに『子どもたち一人ひとりの個性を伸ばしてあげられるような先生になりたい』とそんな思いを持って、先生になった。


そうだったのに。


 憧れだった『先生』になった私は、いつしか『こうしなければならない』という思いでいっぱいになってしまって、最初になりたかった『先生』とはかけ離れていった。




クラスをまとめてね。入園して1ヶ月で、全員が手をお膝にして先生の目を見て話が聞けるようにしてね。ほら、1年目は動く!何で聞いてこないの?自分から聞かないと。先生のクラス、落ち着きないよね。この時間に始めるって言ったんだから、準備の時間考えてなかったの?


毎日毎日、言われないようにしなきゃという思いが強くなる。決められた枠から少しでもはみ出してしまった子を、中に入れなくちゃ。『個性を伸ばしたい』と思っていたはずなのに、やっていることは真逆だった。

何を言われても、毎日仕事に行けたのは子どもが大好きだったからだ。みんながいるから頑張れる。それなのに。上司にある日言われた言葉で、心が折れてしまった。


『先生ってさ、子どものこと好きじゃないでしょ』


違う。そんなことは無い。好きじゃなかったら続けてない。言われたのは5年目だったか。何がどうしてそう見えたのか。どこで間違えてしまったんだろう?


そして5年続けてきた幼稚園教諭を、私は辞めた。



最後の3年は、有難いことに年少から年長まで持ち上がりを経験させて貰えた。卒園児を持たせて貰えることは、本当に大きな経験だったと思う。

今振り返ると、もちろん全てが良い思い出ではないけれど、この5年間があったから今の私に繋がっていると、心からそう思う。やはり、幼稚園教諭だからこそ得ることができた経験やアイディアは今後の自分の糧となる。


そうして私は、幼稚園教諭から保育士へと転職をするのであった。

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