立山黒部アルペンルートに行ってみた
立山黒部アルペンルートといえば景勝地として有名ながら、かつては待ち行列が不評だった。しかし今やITの活用でとても円滑に移動できるようになっている。
富山側からアルペンルートに入る上でのボトルネックは最初のケーブルカーである。そこでケーブルカーを便指定制にして、WEBで事前予約できるようにしている。ケーブルカーは事前予約できるとしても他の乗り物を予約できなくて大丈夫なのだろうかと心配する向きもあるかもしれないが、実は大丈夫である。
アルペンルートの乗車券にはバーコードが印字されていて、バスを含むすべての乗り物の改札でバーコードをスキャンしている。輸送力の限られた乗り物が多いので定員超過しないように乗客数を数えているというのもあるかもしれないが、それだけなら単純に数を数えれば済むことである。バーコードをスキャンしているということは、ケーブルカーの便指定をした事前予約情報と組み合わせてリアルタイムで乗客の移動を把握できるということであり、需要予測に基づき臨機応変に臨時便を設定できるようになっている。
立山ケーブルカーもトロリーバスもロープウェイも黒部ケーブルカーも最高で10分間隔で運行できるようになっており、需要に応じて臨時便を出している。美女平と室堂とを結ぶバスも途中停留所を通過する直行便を需要に応じて増やしており、満席になり次第発車する。ケーブルカー1台でバス3台分の輸送力なので、ケーブルカーの到着に合わせてバスを3台出せば運びきれてしまう。黒部平から大観峰に向かうロープウェイもボトルネックになりやすいが、黒部湖のケーブルカーの改札口で整理券を配布しており、自分の整理券の番号が来るまで外の展望台で待っていることができる。
前述の通り入口がボトルネックなので、便指定して一旦入口を通過して中に入ってしまえば潤沢な輸送力が提供されており、さほど待たずに円滑に移動することができる。そのため、立山ケーブルカー以外では予約や便指定は不要なのである。
ちなみに混雑する時間帯は午前9時台10時台くらいであり、午後は比較的空いている。午後からスタートしても今では長時間の行列が存在しないので、乗り物を乗り継ぐだけなら夕方までに余裕を持って到着できる。便数が多くて空いているのはピーク時間帯の逆方向である。さほど込まない朝一番に出発してピーク時に戻るようにすればすこぶる快適に移動できる。
今は北陸新幹線があるので、朝東京を出発して長野から扇沢行のバスに乗り、午後にアルペンルートを通過して夕方過ぎに富山に到着し、その日のうちに北陸新幹線で日帰りできてしまう。もっとも、せっかく富山まで来ておいしいものも食べずに帰ってしまうのは勿体ないが。