JAL国内線の当日アップグレードを利用してみた

つい最近までJAL国内線で、当日の出発3時間前の時点でClass Jの空席があると有償でアップグレードできることを知らなかった。JALの当日アップグレードのページを見てみると、個人包括運賃でも可能とある。JALのアプリでも可能とある。アップグレード可能なときにはアプリに表示されるようである。羽田名古屋線のような近距離路線では1100円、それ以外の国内線では2200円、沖縄路線で3300円である。奄美大島は遠いが鹿児島県なので2200円である。

尚、普通席からファーストクラスへのアップグレードは11000円。気軽にアップグレードできる金額ではないが、それでもANAのプレミアムクラスへの当日アップグレードの地方路線の料金とほぼ同じ値段だし、幹線での料金15000円よりも安い。それでいてJALのファーストクラスはANAのプレミアムクラスよりも少し良いので、この金額を出せる人にとってはお買い得である。もっとも、この金額を気軽に出せる人なら当日アップグレードなんてせこいことをせずに最初からファーストクラス運賃で購入していそうだが。

ANAのプレミアムクラスへの事前アップグレード(2日前から)や当日アップグレードも同様に有償で提供されているが、こちらは1万円ほど(羽田福岡線や羽田札幌線のような幹線では15000円)払う必要がある。それに対してClass Jはそんなに高くないので気軽に利用できる。

早速試してみたが、初回は空振りだった。出発時刻の3時間前にJALのアプリを開いてみたが、当日アップグレードのボタンが出てこない。楽天トラベル経由で予約したから出てこないのかなと思ってWebブラウザーからJALのホームページに入って旅行代理店経由で購入した航空券の予約確認ページを開いて座席変更のシートマップを開いたが、Class Jには空席がなかった。どうやらClass Jが満席だったために当日アップグレードのボタンが表示されなかったようである。

次の便では、出発3時間前にWebブラウザで「JAL」「当日アップグレード」で検索し、当日アップグレードのページを開いたうえで、そこから「当日アップグレード」のボタンを押してマイレージ番号とパスワードを入力のうえで入った。すると今度はアップグレード可能な予約が表示され、その予約をクリックするとClass Jのシートマップが表示された。座席を選んでクレジットカードで決済すれば完了。どういうわけかJALのアプリで「当日アップグレード」のボタンが表示されるまで10分くらいのタイムラグがあったが、楽天トラベル経由の予約であっても最低限Webブラウザ経由なら当日アップグレードできることがわかった。

その次は空席待ちだった。普通席で座席を確定して空港に行き、保安検査場を通過してから出発20分前に空席待ちカウンターから呼び出されるのを待つ。運良く呼び出されたらその場でアップグレード料金を支払う。保安検査場を通過したQRコード等はそのまま使えるので、ゲートを通過して搭乗し、指定された席につけばよい。空席待ちでも伊丹羽田線のようなClass Jの需要の多い路線だと上級会員によるアップグレードだけで終わってしまい、下々の者には順番が回ってこない。沖縄路線で当日アップグレードを試したことはないが、もおそらくClass Jに人気がありそうなので、混雑している便では難しそうである。とはいえ、だめでもコストはかからないので、とりえあず当日アップグレードのリクエストだけ入れておいてもよいのではないだろうか。

Class Jといっても優先搭乗があるわけでもなく、コートを預かってくれるわけでもなく、ウェルカムドリンクがあるわけでもなく、荷物の優先扱いがあるわけでもなく、単に椅子が一回り大きいだけである。せっかく前方席から早く降機できても荷物の待ち時間が長かったら意味がない。もともとプレミアムエコノミークラス扱いなのでそういうものである。椅子はJRのグリーン車相当だが、シートピッチは970mmとJRの在来線特急普通車並である。久しぶりにClass Jの座席に座ってみると、窮屈ではないが別に広いわけでもなく、立派な椅子の割には意外と広くないのだなと感じた。椅子にはレッグレストがついている。この程度のシートピッチで意味があるのかと思ったが、レッグレストを上げて脛を支えると足が楽である。リクライニングシートと違って後席に気兼ねがいらないのも良い。

しかし、搭乗時間の長い沖縄線はともかくとして、搭乗時間の短い普通の国内線でプレミアムクラスやファーストクラスのように機内食を提供してほしいとは思わないし、座席が窮屈でなければ他に求めるものは特にない。電源とインターネットなら普通席にもある。


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