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川奈ステンドグラス美術館 @伊東 ルポ!2

ー100年前の歴史に触れられる場所


腹を満たしたら、早速展示コーナーへと足を運ぶ。

突然だが、本ルポを通して、強調してお伝えしたいことがある。
それは、川奈ステンドグラス美術館の魅力は
「楽しみ方が、ステンドグラスだけに留まらない」ということだ。

レストランの料理や眺望もそのうちの一つだが、
土日祝は、それぞれ1回30分程度のパイプオルガン演奏会と、
オルゴール演奏会が30分おきに開催されている。

いずれも、ステンドグラスがそこかしこにあしらわれた、
教会が会場になっていた。どうやら、結婚式にも使われる場所のようであった。

まず、パイプオルガン演奏会だが、女性がパイプオルガンの仕組みや、
造りについて、分かりやすく説明をしてくれる。
その上で、『威風堂々』など、聴き馴染みのある4曲程度、演奏が行われる。
パイプオルガンは、会場の外まで漏れ伝うほどに大きな音を発するが、
不思議と不快感は一切なく、むしろ、心にスッと沁み入ってくる
安らぎの音なのである。

さらに演奏中、鍵盤や、オルガンの両脇に付けられているレバーのようなものを、奏者が忙しく動かす様子が面白い。
耳にも目にも、楽しい演奏会であった。

演奏会後、前に行ってパイプオルガンを間近に見ながら、
さらに詳しい構造などの説明を受けることができる。
女性は、観客たちの質問に、懇切丁寧に回答をしてくれた。


パイプオルガン演奏会が行われた教会

そうこうしているうちに、あっという間に30分が経過しており、
早足で別の場所で行われるオルゴール演奏会へと向かった。
こちらも教会が会場となっていたが、パイプオルガンの会場よりも
小ぢんまりとしており、座りきれない観客たちが、出入り口まで溢れていた。

時間になって現れたのは、なんとパイプオルガン演奏会時と同じ女性であった。
前述の通り、土日祝は二つの演奏会が30分おきに行われ、
1回の演奏会の所要時間が30分程度であるから、
女性は2つの演奏会を行ったり来たりしていることになる。
女性は、ランチを摂っただろうか…ふと、そんな要らぬ心配が頭を過った。

オルゴールといっても、自宅にあるような小さなものではない。
大きな振り子時計のようなそれは、女性の説明によると、
100年以上前からずっと使用され続けているものだという。

螺子を回し、コインを入れると、レコードのような大きな円盤が回る。
円盤1周が丁度1曲で、ゆっくりと奏でられる音色に、満腹な人々は睡魔に襲われかける。

オルゴールは二台あり、それぞれ違った音楽を楽しめる。
そしてなんと、演奏の間に、実際に使った円盤を触らせてもらえたのだ!
ブツブツとした突起が細かくある円盤に指を触れた時、
100年前の、当時の人々の優雅な時間を想う。
それは、なんとも自然で心地よい空想だった。

そう、川奈ステンドグラス美術館は、思いがけず、
100年前の歴史に触れることができるスポットでもあるのだ。

オルゴール演奏会後、またしても女性が観客たちの質問に答えてくれる。
円盤の突起が、どこにどうぶつかると音が出るのかなど、
構造の話しを中心に、部品を取り外したりしながら、説明をしてくれる。

そうしてあっという間の30分が経つと、女性は駆け足で
パイプオルガン演奏会の会場に向かった。

さて、我々も、いよいよステンドグラス鑑賞だ。

ーつづく

次回:繊細で強烈。悠然とした佇まいのステンドグラス

川奈ステンドグラス美術館
〒414-0044 静岡県伊東市川奈1439-1


1997年生まれ、丑年。
幼少期から、様々な本や映像作品に浸りながら生活する。
愛読歴は小学生の時に図書館で出会った『シートン動物記』から始まる。

映画・ドラマ愛は、いつ始まったかも定かでないほど、Babyの時から親しむ。
昔から、バラエティ番組からCMに至るまで、
"画面の中で動くもの"全般に異様な興味があった。

MBTIはENFP-T。不思議なまでに、何度やっても結果は同じである。
コミュニケーションが好きで、明朗快活な性格であるが、
文章を書こうとすると何故か、Tの部分が如何なく滲み出た、暗い調子になる。(明るい文章もお任せあれ!)

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Nanochi
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