家族中毒:本心は躊躇の裏側
十割を越えた力に
内にある 触れてはいけないものが
爆ぜた。
汗にまみれる。
涙を飲む。
精一杯
血を注ぎ、
奮闘する。
九割八分で 踏み止まり、
九割九分で 踵を返す。
十割で 振り返って まだ 堪え
十一割をもって 唇を噛み
尚も 尚も 尚も
立ち向かい 削られ
強ばった顔で 笑った。
と
知らぬ間に
何かが
爆ぜていた。
だからか
自分を失うことに
躊躇がなかったようだ。
物言わぬ
色を失った 苦悶の相に
――本心を見た。