家族中毒:泣きたくないからぶっきらぼう
華やぐ空間に若者たち。
寒さと対比するように太陽が、
彼らの明日を賞賛する。
されど冷たい面を湛えた君は、
華やぐ広場で華やかな衣装を纏ながら、
華やぐ己の成長をまるで、
恨むようで。
そう、賑わっているのは衣装だけ。
君の体はそれを否定して、
表情だけでものを語り、
内面は研ぎ澄まされた刃物のように
鋭利で、
己の境遇を切りつけるのだろう。
晴れが辛いか。
今日はハレの日だ。
君の衣装は両親に讃えられなかった。
成長の否定をされたなら、
その衣装は脱いでしまえ。
だけど、君は優しい。
それが出来ないのだから。
だから泣かない。
だからぶっきらぼうに、駄々をこねる。
今となっては、
心は磨耗して、
乾燥しきって、
風に吹かれてどこにあるのか分からない。
・
その姿はやけに瞳に焼きつく。
だけど、
私の慰みの言葉は、
君を幸せにはしないだろう。
君の心の在り処を探し出せるのは、
ただ異性である私ではない。
衣装を讃えるべきである、
君の両親だ。